選手の士気アップ、球場の空気も一変 「チャンステーマ」の不思議な魅力
打席で自身の応援歌を口ずさむ選手も、魅力あふれる「チャンテ」の世界
トランペットや太鼓、指笛を使った賑やかな応援スタイルが特徴の日本のプロ野球だが、得点機に流れる「チャンステーマ」は、一際不思議な魅力を備える。
長年球場に足を運んでいるファンなら、外野席で歌われるキャッチーなメロディが、それこそ映画音楽や舞台演出のように、白熱する試合をさらに盛り上げてくれることを知っているだろう。そこでここでは、パ・リーグ各球団の代表的な「チャンステーマ」を紹介していきたい。
【福岡ソフトバンク】
〇チャンステーマ1(わっしょい)
もともとは藤本博史一軍打撃コーチの現役時代、応援歌として使われていた曲だ。単純で歌いやすい歌詞、メロディとなっており、初めて球場に訪れたファンでもすぐに応援の輪に入ることができる。
またこのチャンステーマは、最前列のファンがメガホンで外野フェンスを叩きながら歌うことでも有名で、「一発」への期待感がよく表れている。独特の雰囲気の中、実際に本塁打が飛び出たときの興奮は、言葉では言い表せないほどだ。昨年圧倒的な強さを誇った福岡ソフトバンクのチャンステーマであるだけに、トラウマのようになっている他球団ファンも多いのではないだろうか。
【埼玉西武】
〇チャンステーマ4
男女のパートが分かれた歌から始まり、外野席の全員でジャンプする流れとなっている。歌詞、メロディともに、12球団屈指の人気を誇る名曲だ。それまで比較的短い曲が続いていた埼玉西武のチャンステーマに、新しい風を吹き込んだ曲でもある。ビッグイニングには、公式応援グッズのフラッグを振る応援スタイルが新たに追加された。満員の球場で無数のフラッグが揺れる光景は圧巻である。