21世紀枠4校の選出理由は? 障害者と共に学習、部員不足も地域の協力で復活…
八戸西(青森)、東播磨(兵庫)、具志川商(沖縄)、三島南(静岡)の4校
第93回選抜高校野球大会の出場校を決める選考委員会が29日、大阪市内で行われ、21世紀枠で出場する4校が決まった。昨秋の明治神宮大会が中止になったことに伴い、神宮大会枠の1校が増加。選考委員は審議の結果や選出理由を説明し、選ばれた「4者4様」の特色が出る形となった。
○八戸西(青森)
選考委員は、小川貴史監督が教諭として勤務している特別支援学校と日常的に交流しているという特色を紹介。今夏に開催が予定されている東京五輪、東京パラリンピックを前に、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ「インクルーシブ教育」に取り組んでいることを評価した。
○東播磨(兵庫)
昨年春から新型コロナウイルス感染拡大によって制限された部活動。そんな中で、オンライン会議ツールの「Zoom」やメッセージアプリの「LINE」を積極的に活用した点が評価された。選考委員は、オンラインを通じて指導者の実演動画配信や部員の悩み相談などを実施したことで、演劇部や放送部など他の部活動にも好影響を与えた点を理由に挙げた。
○具志川商(沖縄)
選考委員は、同校野球部が5年前に部員不足で他部の選手を集めて試合出場するほど活動が低迷していた経緯を紹介。その上で「OBが企業で働く傍ら指導するなど地域の支援を受けて復活」と地域力を強調した。さらに、学校行事など部員がリーダー的な役割を果たしている点も評価の対象となったと述べた。
○三島南(静岡)
野球人口の減少を食い止めようと、同校野球部では2014年から保育園児を対象とした野球体験教室を始めたことを説明。その後、小学生にも対象を広げ、手取り足取りの丁寧な指導は「いまや申し込みが殺到する人気行事となっている」とも。「高校野球200年構想を先取りした先駆的な取り組み」と評価した。
(Full-Count編集部)