近畿で勝っても「全国にはあまり届かない」 智弁学園監督の“本音”と示した実力
小坂監督「近畿大会で勝っても全国の方にはあまり届かない」
昨秋の近畿大会決勝と同じ対戦となった好カード。近畿王者の智弁学園(奈良)は大阪桐蔭(大阪)にリベンジを許さなかった。小坂将商監督は「近畿大会で勝っても全国の方にはあまり届かない。気持ちの部分で大阪桐蔭さんに負けずにやってくれた」と“連勝”に胸を張った。
初回のチャンスを逃さなかった。制球の定まらない左腕・松浦から安打と連続四球で無死満塁とすると4番・山下陽輔内野手の犠飛、そして再び満塁から6番・植垣洸捕手が左中間へ走者一掃の二塁打で一挙4点を奪った。終盤に大阪桐蔭の猛攻を受け2点差まで詰め寄られたが逃げ切り初戦突破を決めた。
長打あり、バスターありと積極的な攻撃を見せた小坂監督は「5、6点の勝負になると思いましたので強硬で行きました。選手はよく応えてくれた」とナインを称えた。昨秋は7-3で快勝していたが「近畿大会で勝っても全国の方にはあまり届かない。気持ちの部分で大阪桐蔭さんに負けずにやってくれた」と“フロック”ではないことを全国の舞台で証明してみせた。
智弁ナインの思いも同じだった。山下陽輔主将も「もう一回、秋のような繋ぐ繋ぐ野球で勝ち切ろうという気持ち。今日は初回から積極的にいけた。(大阪桐蔭は)大きい山だと思う。チームが波に乗る、勢いづけるという意味でも良かった」と胸を張った。
ドラフト候補にも挙がる松浦、関戸の二枚看板が結果を残せず、選抜では初の初戦敗退となった大阪桐蔭・西谷監督も「秋に負けた相手。しっかり勝ちたいとやってきたがまだまだ。守備から攻撃につなげることができなかった」と完敗を認めるほどだった。
「勝ててものすごく自信になったと思います」
初戦で実現した優勝候補同士の激戦を終え小坂監督は安堵し、一方で大きな手応えも得た。甲子園の地でまた一つ成長を遂げた智弁学園が一気に頂点を狙う。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)