天理・達、8四死球も3失点に抑えられた訳「実は4回まであんまり気持ちが…」
中村監督「正直この試合どうなるんだろうと思った」
打線が爆発した天理(奈良)が仙台育英(宮城)を10-3で下し、1997年以来24年ぶりのベスト4進出を決めた。エースの達孝太投手は164球を費やし8四死球と制球に苦しみながらも最速146キロの直球を軸に8回3失点の粘投。中村良二監督も「これだけ状態が悪い達は中々なかった、正直この試合どうなるんだろうと思った」と振り返るほどだった。
初回は2者連続三振と最高の立ち上がりに見えたが、2死から3連続四死球と大荒れ。その後も毎回のように走者を背負い5回までに103球を投げる苦しいピッチングが続いた。それでも要所を締め8回3失点にまとめたが試合後、達は「良かったところはなかった。0点です。初回の入り方、今日はギアを上げ過ぎた。入り方を間違えた」と反省を口にした。
苦しい投球を助けたのは味方の大量援護だった。「実は4回まで自分はあんまり気持ちが乗らなかったというか。ダメだなと思って投げていた。4回の4点で気持ちのスイッチを上げられた。4回から8回まで気持ちで投げていた。野手の期待に答えられるように」と感謝を口にした。
8回164球という球数については「多いと思うが自分はそこそこ投げれている。球数は気にせず投げていました」と問題ないことを強調。中村監督は点差が付いた7回に交代の機会を伺っていたが「どうする? と話してたが、本人が次に備えて投げたいと。それが2イニング続けたので。もう、エースの言う通りにしてあげた方が球数より次の試合に入りやすいのかなと。それで7回、8回も投げさせた」と続投させた理由を説明した。
準決勝へ駒を進めた達は「理想は9回投げて無失点。ヒット1本、四球1ぐらいが理想。それぐらいがベスト。全く納得いかない投球だった。次投げることがあれば姿勢というか気持ちの面でもしっかり持っていきたい」と気を引き締めていた。
自己評価は0点のエースの投球でもベスト4入りを果たした天理。打線の調子も上がってきただけに1997年以来の優勝も見えてきそうだ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)