なぜ大谷翔平の一塁失策は三塁打に記録訂正された? 公式記録員が語る舞台裏
公式記録員歴42年マンソンさんが語る記録訂正「MLBから連絡があり…」
エンゼルス・大谷翔平投手が2日(日本時間3日)の本拠地・ホワイトソックス戦の初回に記録した打席結果「一ゴロ失策」が「三塁打」に訂正された。この試合を裁いていたのが公式記録員歴42年のベテラン、エド・マンソンさんだ。4日後の6日(同7日)に記録訂正された舞台裏を語った。
今季初安打となる三塁打に記録訂正されたのは一塁への強烈なゴロだった。打球速度174キロの一打は一塁手アブレイユの足元を襲った。マンソンさんは身振り手振りを交えながらエラーと判定した理由を語った。「(グラブの先の)“ここ”を通り抜けたから一塁手のエラーにしたんだけどね」。
大谷はその試合の第5打席で今季1号をマーク。それでも、試合後のマドン監督は本塁打のことよりも「最初の打席は間違いなく三塁打だ。抗議しないといけない」と異議を唱えていた。大リーグ機構からマンソンさんへ問い合わせがあったのは、試合から3日後だった。「MLBから連絡があり記録を訂正したんだ。きっとMLBはオオタニが好きなんだろう! 実は私もビッグファンだけどね」と笑顔を浮かべながら答えた。
マンソンさんはエンゼルス、ドジャースを中心に年間90試合ほどを担当するという。公式記録員は全選手に対して公平中立、そして1つの記録が選手生活をも大きく左右することをマンソンさんはよく分かっている。大リーグは開幕したばかり。一投一打、気の抜けない仕事はこれからも続いていく。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)