“滑るボール”にMLB監督が警鐘 投手の顔面死球で「問題を無視するともっと増える」
ナショナルズのボスがバントの構えも、顔面に死球を受け鼻を骨折
■フィリーズ 12ー6 ナショナルズ(日本時間8日・フィラデルフィア)
ナショナルズのオースティン・ボス投手は7日(日本時間8日)のフィリーズ戦で顔面死球を受け負傷交代。90.5マイル(約146キロ)の直球が投手を襲った出来事にデーブ・マルティネス監督は「ボールの問題を無視し続けると、このようなことがもっと増える」と“滑るボール”に警鐘を鳴らした。
この日、ボスは3回無死一塁の場面で打席に入るとバントの構えを見せた。だが、ベラスケスが投じた90.5マイル(約146キロ)の直球は明らかに抜け球となりボスの顔面を直撃。すぐさまフィラデルフィアの病院に向かったが、鼻を骨折していることが分かり整復手術を受けることになった。
投手相手に顔面死球を与えてしまったベラスケスは「ボスを思うと苦しい気分だ。一刻も早く回復することを願っている。テレビで顔に死球を受ける選手を見るのは実に恐ろしい。そして現場で直接その場面を見れば、トラウマになり得る」とショックを受けた様子。
また、ナショナルズのマルティネス監督は「こんな話をしたくはないが、もしボールの問題を無視し続けていると、今日のような状況がもっと増えることになる。滑るし、選手たちは汗もかく」と指摘。メジャーでは“滑るボール”がたびたび話題に上がるが、選手生命を脅かす危険性もあることを指揮官は訴えていた。
MLB機構は早ければ6月中にも投手の粘着物質使用の取り締まりを行う。松ヤニや粘着性のあるクリームの使用で投手がスピン量、球速などが有利になっている問題が注目されていた背景があったが、“滑るボール”の対応にもそろそろ取り組む必要がありそうだ。