「シーズンに楽しみなんて1つもない」 大型連敗を脱した楽天・石井一久監督の本音
「選手は気持ちを前に向けてやってくれている」
■楽天 6ー4 西武(23日・メットライフ)
就任1年目の石井一久監督率いる楽天は23日、敵地メットライフドームで行われた西武戦に6-4で競り勝ち、11日の阪神との交流戦から続いていた今季最長の連敗を「7」で止めた。この間、首位の座から滑り落ち、11連勝のオリックスを追う立場に変わった。指揮官の胸中は──。
先発の田中将は6回4失点の苦投だったが、湿りがちだった打線が奮起した。1点を追う7回、1死一、三塁でプロ10年目の岡島が2点三塁打を放ち逆転。8回には浅村の犠飛で突き放した。石井監督は「選手1人1人が、負けている時にも集中してくれていた。このシーズンは困難の連続だが、選手はしっかり気持ちを前に向けてやってくれている」と目を細めた。
2018年9月に楽天のGMに就任し、19年には平石洋介監督(現ソフトバンク打撃コーチ)、20年には三木肇監督(現楽天2軍監督)をいずれも1年で退任させた。自ら現場の監督を兼ねる今季は強力な先発投手陣が揃い、開幕前からソフトバンクと並ぶ優勝候補に挙げられていた。東日本大震災発生から10年の節目でもある。その分重圧は大きい。連敗中、不安や焦りがなかったわけではないだろう。
それでも声を荒らげたり、選手を批判したりするようなことはなかった。「僕は結構、困難が好きな方。難しければ難しいほど挑みたくなるし、覚悟した上で(監督就任を)引き受けた」と達観した表情を浮かべ、「もともとシーズン中は、楽しいことなんて1つもない。困難の連続。僕は選手が成長し、打破して、最終目標にたどりつけるようにサポートするだけ」と語る。