大谷翔平、敬遠四球は本塁打王への“登竜門” 試される好球必打の打撃スタイル
イチローは2002年に自己最多27敬遠、バリー・ボンズは2004年に歴代最多120敬遠
■エンゼルス 4ー1 オリオールズ(日本時間4日・アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手は3日(日本時間4日)、本拠地のオリオールズ戦に「2番・指名打者」で先発出場し、初の1試合2敬遠を含む3四球と勝負を避けられた。2打数無安打で打率.278。本塁打王争いはリーグ2位のブルージェイズ・ゲレーロJr.と3本差のままだが、主砲トラウトが復帰する後半戦までは“四球攻め対策”が本塁打量産へのポイントとなりそうだ。
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大歓声が大ブーイングに変わった。大谷は2回無死三塁、6回2死三塁と勝負を避けられた。一発が飛び出せば試合が決まる場面で歩かされ、初の1試合2敬遠。マドン監督は「対策を取らないといけない。何か対策を取る必要がある」と繰り返した。
今季5敬遠はトラウト、ブルージェイズ・ゲレーロJr.、インディアンス・ラミレスに並びリーグ最多。大谷自身はメジャー4年目で自己最多を更新しているが、あのイチローはメジャー2年目の2002年に自己最多27敬遠を記録。2004年は19敬遠と勝負を避けられる中でメジャー歴代最多262安打を放った。2005年9月27日の本拠地・レンジャーズ戦では自己最多1試合3敬遠も記録している。
バリー・ボンズは歴代最多73本塁打を放った2001年に35敬遠。2004年には歴代最多120敬遠というとんでもない数字を残している。同僚のトラウトは2017年から3年連続“敬遠王”。2018年に25敬遠、2019年には14敬遠と歩かされる中で3度目のMVPを受賞した。大打者にとって、敬遠は宿命と言える。
シーズン59発ペース。今季は高めのボール球を振り抜いて本塁打としたケースもあるが、「本来は打つべきボールじゃない。完全に反応で打った打席。自分でもビックリする」と首を横に振っていたのは印象的だった。2試合連続3四球で歩かされた後の6月8日のロイヤルズ戦では自己最長143メートル12号2ラン。この日も敬遠で歩かされた後に白い歯をのぞかせたあたり問題なさそうだが、いかに好球必打の打撃スタイルを崩さないかがポイントとなりそうだ。
3度のMVPを誇るトラウトの戦列復帰は最短でオールスター戦後。しばらく我慢の時が続きそうだ。2004年松井秀喜に並ぶ日本人シーズン最多31本塁打をじっくり待ちたいところだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)