大谷翔平に夢の60号到達の期待 トラウト離脱後54戦22発が示す“主砲”の働き
本塁打率はトラウト離脱前11.69から離脱後8.18に成績向上
エンゼルスの大谷翔平投手は25日(日本時間26日)、敵地のツインズ戦で決勝の35号を放った。同点の6回に右越えへ勝ち越しソロ。5試合ぶりの一発で本塁打王争いではブルージェイズ・ゲレーロJr.に3本差をつけた。初回の二塁内野安打と合わせて2試合連続マルチ安打と再び状態を上げてきた。
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スランプ脱出を予感させる弾丸ライナーだった。大谷がフルスイングした打球は右翼席後方のコンコースへ飛んでいった。同点の6回1死、2番手左腕コローンから勝ち越し35号ソロ。これが決勝点となった。悠々とダイヤモンドを駆ける姿にスラッガーの風格が漂った。
5試合ぶりの一発は“予告弾”だった。数日前。大谷は自身の打撃について、マドン監督にこう明かしたという。「左投手の球がしっかり見えている」。ツインズの通算128勝左腕ハップが先発した23日(同24日)は休養日となったが、24日(同25日)の第4打席でも救援左腕シルバーから右越え二塁打。今季の対左投手からの12本塁打は両リーグ2位タイ(1位はオルソン15発)。対左腕は長打率.703の好成績だ。
トラウト抜きでも堂々の好成績を残している。主砲が離脱する5月17日(同18日)までは38試合で打率.263(152打数40安打)、13本塁打、32打点だったが、負傷者リスト入りした翌日以降は54試合で打率.289(180打数52安打)、22本塁打、43打点。本塁打率は「11.69」から「8.18」にアップしている。8四球(敬遠0)から34四球(敬遠6)と勝負を避けられているものの、ここまでシーズン57発ペースと結果を出している。
この日の試合前、マドン監督はトラウトが26日(同27日)に痛めた右ふくらはぎの検査を受けると明かした。「素早く動こうとすると患部にまだ少し違和感があるようだ。痛みがあるわけではない」。主砲なしでも好結果を残すのは頼もしい限りだが、もし早期復帰をしたら……。キング奪取、シーズン60発到達の期待はさらに高まってきそうだ。
本拠地に戻る26日(同27日)のロッキーズ戦では先発マウンドに上がる。マドン監督は「投打両方やる準備はできていると私は思っている」と話し、投打同時出場することが有力視される。豪快なアーチを復活させ、メジャー自己最多5勝目へ弾みをつけた。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)