鷹・長谷川勇也が涙の引退会見 登録抹消2日後に決断「もうダメだ、と」

引退会見で涙を流すソフトバンク・長谷川勇也【写真:球団提供】
引退会見で涙を流すソフトバンク・長谷川勇也【写真:球団提供】

2014年に負った右足首の怪我が影響「バッティングにまで影響してしまった」

 今季限りでの現役引退を決めたソフトバンクの長谷川勇也外野手が9日、本拠地PayPayドーム内で引退会見を行った。「本日をもちまして、現役生活を引退することになりました」と挨拶。会見中には大粒の涙を流し、言葉に詰まるシーンもあった。

 引退を決めた大きな要因となったのが、古傷の右足首だった。2014年のプレー中に負傷し、手術も受けたが、完治することはなかった。これまでも怪我と付き合いながらプレーを続けてきたが、その足も限界に。「1年1年が勝負と思って毎シーズンやっていた。怪我がバッティングにまで影響してしまったので、決断に至った大きな要因です」と明かした。

 代打の切り札として存在感を見せていた今季も足首の異変が度々あったという。「足がロックしたんですよ、歩けないくらいに。たびたびあったり、違うなと違和感を感じていた。交流戦入ったくらいから顕著になる感じがあって、おかしいなという感情は感じてました」という。

 10月2日には出場選手登録を抹消された。「後半戦は思うようにいかなかった。体と感覚のズレ、ギャップを感じていました。何とかしようと『今日はこれでどうだ』『これなら!』と日々やって、打ちのめされて、本当にやることがなくなってしまった。それくらいにバットを振ったんで、もうダメだと感じました」。引退を決断したのは登録抹消になって2日後の4日。球団に意向を伝えた。

 15年間の現役生活に「悔いはないです」と語ると、また大粒の涙を流した長谷川。「やってダメだったしょうがない、やらなくて後悔しないように、野球生活を送ってきた。順風満帆だったわけではなく山あり谷ありだった。僕だったからこそ山を登って谷超えてやってこられたと胸を張って言えます」と、積み重ねてきた努力と1108本の安打への自負を口にしていた。

 会見の最後には高谷裕亮捕手、中村晃外野手、本多雄一内野守備走塁コーチがサプライズで登場。花束を渡した。

 長谷川は2006年の大学・社会人ドラフト5巡目でソフトバンクに入団。2年目の2008年に1軍デビューを飾ると、翌2009年からレギュラーに定着。2013年には144試合に出場し打率.341、198安打をマークし首位打者と最多安打のタイトルを獲得した。プロ通算は1232試合に出場し1108安打、打率.288、76本塁打434打点。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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