「ヤクルトは…飲んでません!」燕1位・山下輝、ど緊張から解放されて快投
ドラフト後初のマウンド、早大戦で6回無失点「気持ち的には楽に投げられた」
東京六大学野球の秋季リーグは13日、神宮球場で1試合を行い、法大は0-0で早大と引き分けた。11日の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」でヤクルトから1位指名を受けた山下輝投手(4年)は、楽天から6位指名を受けた早大・西垣雅矢投手(4年)との投げ合い。ドラフトの緊張から解き放たれ、6回無失点と好投した左腕は「だいぶ気持ち的には楽に投げられた」と笑顔で振り返った。
「今度からはずっとここかぁ~」。ドラフトから2日、来年から本拠地となる神宮球場のマウンドに上がった。前回10日の立大戦では7回90球を投じ、中2日での登板だった。1位指名されたというプレッシャーを問われると「少しはありましたが、いつも通りやれば大丈夫だと思いました」と落ち着いた投球を見せた。
唯一、感情を露わにしたのが6回。先頭の中川卓也内野手(3年)に内野安打を許し、2死を奪った後に2者連続で四球で2死満塁に。最大のピンチを招いたが、熊田任洋内野手(2年)を一ゴロに打ち取って吠えた。最速151キロの直球も走り、6回を投げきって4奪三振。スコアボードに「0」を刻んでいった。「あまり良くないかなとブルペンから思っていたので、ある程度まとめられてよかったです」と頷いた。
マウンドを降りると表情は緩み、試合後の会見場は笑いに包まれた。ドラフトの3日前までは緊張で食事が喉を通らなかったと明かし、「ドラフト終わった夜からすごくご飯がおいしいです」。中でもこの2日間でおいしかったのは、ドラフト指名を受けた後に食べた明太子クリームパスタ。「ヤクルトは一緒に……飲んでません!」と言う余裕を見せた。
法大は4試合を終えて白星なし。運命の日を終えた背番号21が、大学ラストシーズンで勝利に導く投球をしてみせる。
(市川いずみ / Izumi Ichikawa)
市川いずみ(いちかわ・いずみ) 京都府出身のフリーアナウンサー、関西大学卒。山口朝日放送アナウンサー時代には高校野球の実況も担当し、最優秀新人賞を受賞。学生時代はソフトボールで全国大会出場の経歴を持つ。