何度も逆境を乗り越えた苦労人 大記録逃すも球史に名を刻んだバリオス

日本新記録がかかった一戦で痛恨の被弾、それでも藤川の記録と並んだバリオス

 大記録を目前で逃した。ソフトバンクのエディソン・バリオス投手(26)が、22日の日本ハム戦(札幌D)でリリーフに失敗。王手をかけていた18試合連続ホールドのプロ野球新記録はならず、05年の阪神・藤川球児(前レンジャーズ)と並ぶタイ記録の17試合連続ホールドでストップした。

 0-3のビハインドから、味方打線が7回表に相手先発の大谷翔平から一挙5点を奪って逆転に成功。五十嵐亮太が7回裏を無失点に抑えると、「勝利の方程式」通り、8回からバリオスがマウンドに上がった。

 だが、先頭の田中賢介に安打を許すと打席に迎えるは4番中田翔。1ボール2ストライクと追い込んでの4球目。インコース低めへと投じたシュートを捉えられた打球は、弾丸ライナーで札幌ドームの左翼席へと消えていった。

 痛恨の同点2ラン。開幕から18試合目にして、初めて救援に失敗――。しかし、17試合連続の快投によりその名は歴史に刻まれることになった。

 今季はソフトバンクの「勝利の方程式」の一角として欠かせないほどの活躍を見せていたバリオス。ただ、ここまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。

 ベネズエラ出身の26歳。2006年から、パイレーツ傘下のベネズエラ・サマーリーグ・パイレーツでプレーし、来日したのは2011年。しかし、加入したのはNPBの球団ではなく、関西独立リーグの神戸サンズだった。

 神戸でのプレーがソフトバンクの目に留まり、加入したのがシーズン途中の同年7月29日のこと。だが、日の目を見るにはさらに時間がかかった。

 入団後は、2軍戦で3試合登板止まり。オフに自由契約となり、育成選手として再契約を結んだ。育成選手として迎えた翌12年には右肘を故障してトミー・ジョン手術(右肘関節内側側副靱帯再建手術)を受けた。この年のオフも育成選手規約に基づき、自由契約として公示され、育成選手として再契約した。

 育成契約2年目の13年、ついに支配下の切符をつかむ。2軍、3軍での好投が認められ、7月31日に支配下選手登録。さらに、8月18日の日本ハム戦(帯広)で来日初登板すると、5回7安打2失点で初勝利も挙げた。この年の1軍成績は、3試合に投げ、2勝1敗だった。

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