国学院久我山、11年ぶり選抜出場 昨年11月にイチロー氏が指導「思い背負って戦う」
昨年11月にイチロー氏から直接指導の“吉兆”
国学院久我山高(東京)が28日、第94回選抜高校野球大会に11年ぶり4度目の出場を決めた。同校は昨年秋の東京都大会で優勝して選抜出場を確実にし、11月29日から2日間、イチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)から直接指導を受けたことでも話題になった。
「承知いたしました。ありがたくお受けいたします」。15時19分、電話で朗報を受けた国清英明学校長は、グラウンドに出て2年生27人、1年生32人、計59人のナインに選出を報告した。上田太陽主将は「新型コロナウィルスの感染状況が悪化する中、引き続き感染対策を対策をしながら準備していきます」と抱負を述べた。
昨年11月にイチロー氏からの指導を受けた同校。「イチローさんが『考えたり悩んだりしていい』とはっきりおっしゃったことが、自分には響くものがあり、楽に打てるようになったし、意識が高く、やる気になりました」と上田主将。尾崎直輝監督も「いつも堂々とされていて神様のようだったイチローさんにも悩みがあり、人間的な一面があることがわかった」とうなずいた。
イチロー氏から贈られた愛用の黒いバットは、練習のたびにグラウンドのネット裏に置かれる机の上に、ネットに立てかけるようにして鎮座している。尾崎監督は「選手には『素振りをしてもいいぞ』と言ってあるが、実際にスイングしたのは1人だけ。みんな恐れ多くて、さわるのが精一杯のようです」と苦笑する。
甲子園のベンチにも持ち込みたいところだが、「大切なお守りだが、甲子園まで持っていくとなるとセキュリティ上の問題があるので、よく考えたい。いずれにせよ、イチローさんの思いを背負って戦うことに変わりはない」という。一昨年12月にイチロー氏から指導を受けた智弁和歌山は、昨夏に全国制覇を果たしており、国学院久我山にとっても何よりの吉兆だ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)