剛腕の小6女子を育てたパパ監督の“接し方” 「自分自身で考え、選択させること」
M2ツイスターズに所属する田沼愛理さんの父・克典さんはチームの監督を務める
埼玉・羽生市の小学校軟式野球チーム「M2ツイスターズ」に所属する6年生・田沼愛理さんは、元プロも絶賛する逸材だ。成長を促すのは、所属チームの監督でもある父・克典さん。自身も職場の軟式野球チームで競技を続けており、親子で練習に励んでいる。
愛理さんが野球を始めたのは、“父の作戦”でもあった。4学年上の兄がチームに所属していたため、愛理さんもよく練習を見に行っていた。「人数が少なかったので、1年生になったら入れちゃえって思っていました(笑)。本人が『やりたい』って言いだしたときはラッキーだなって」と克典さんは振り返る。
ただ、そのチームは愛理さんの兄が卒団すると同時に、メンバーを組めない人数に。悩んでいると、当時M2ツイスターズの監督をしていた落合博明現総監督に「一緒にやらないか」と誘われ、所属していたチームの解散を期にM2ツイスターズに入団。克典さんは昨年から、監督を任されるようになった。
愛理さんを指導する上で特別なことはしていないという。最初は選択肢を提示していたが、徐々に「自分自身で考え、選択させること」を意識させていった。「野球だけでなく、水泳も習字もやらせていて……。小さい時から忙しい日々だったんですけど、本人はそれでも『塾に行きたい』と言った。自分の中で、やりたいことを考えているのでしょうね」と成長を実感する。
愛理さんは野球の技術もどんどん伸ばしていった。昨年12月25日に加須きずなスタジアムで行われた野球教室「加須きずなガールズベースボールクリニック」では、講師を務めた元西武守護神の高橋朋己氏(ライオンズアカデミーコーチ)から「別格でしょ」と絶賛され「何で(ライオンズ)ジュニア受けなかったの?」と質問されたほど。克典さんは、愛理さんが野球やスポーツに携わる仕事に就くことを願ってるが、本人の夢は、女子プロ野球選手か医療関係の仕事に就くこと。そのため、練習も勉強も毎日欠かさない。
「どちらにしろ、やりたいことをやっていってほしいです」。自ら道を切り開き、何事も進んで取り組む愛理さん。克典さんは娘の活躍をこれからも見守っていく。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)
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