大谷翔平、打撃の課題は? 後半戦苦しんだ「無視できない」理由を米メディア指摘
後半戦は外角の割合が増加「ゾーンが広めだったことも投手を助けた」
エンゼルスの大谷翔平投手は昨季、打者として155試合出場、138安打、46本塁打、100打点をマーク。投打二刀流での活躍が評価され、日本選手初の満票MVPに輝いた。米スポーツメディア「ブリーチャー・リポート」は「エンゼルスのショウヘイ・オオタニが、2022年さらに良くなることは可能か?」と題した記事を公開。昨季の打撃を分析した上で、さらなる飛躍のヒントを探っている。
昨季の大谷は「強い打球を打つ」ハードヒット率、打球速度、さらにバレルと呼ばれる「長打になる確率が極めて高い打球」を放つ確率のどれもが大リーグでトップクラスだった。昨季の打球のうち「その打球角度、打球速度で打てば打率.500以上、長打率1.500以上になる」バレルに入る確率が、22.7%に及んだという。
これは打球データを計測するスタットキャストが導入された2015年以降、規定打席に達した打者の中で3番目に高い数値だ。さらに、昨季打った78本のバレルのうち、52本がストライクゾーン上部2/3の球で、左打者では過去最多だった。内外角よりも、高低の投げ分けで打者を打ち取ろうとする投手が増えた「現代に合ったスイングをしている」と解説している。
記事はその上で「成績が終盤にどれだけ落ちたのかは無視できない」と、年間通しての活躍を課題に挙げた。昨季は最初の95試合で37本塁打、OPS1.058だったが、最後の60試合では9本塁打、OPS.798に落ち込んだ。前半戦は得意にしていた速球に後半は苦しんだとし、これは相手投手が高低よりも、内外角の投げ分けで勝負することが増えたためと分析している。特に外角の速球を投げてくる比率が上がり、ホームプレートの外側1/3を突く投球割合が最初の95試合では42.7%だったのが、最後の60試合では51.1%に増えたそうだ。
また終盤の打撃不振について、大谷の打席では「審判のゾーンが広めだったことも投手を助けた」と分析し、さらに出ずっぱりの大谷が“ガス欠”に陥っていた可能性も指摘している。これについては、昨季は故障に泣いたマイク・トラウト外野手とアンソニー・レンドン内野手が復活できれば、チームが大谷に「もっと休みを与えられる」はずだとも。打者・大谷がさらに成績を伸ばすには、打線全体の助けも必要となってきそうだ。
(Full-Count編集部)