主流の「樹脂」か、盗塁王が愛した「革底」か 野球用スパイクの特徴と選び方

野球用スパイクの特徴と選び方は?
野球用スパイクの特徴と選び方は?

赤星憲広氏や本多雄一氏が愛用した「革底」、2018年夏の甲子園決勝でも話題

 野球のスパイクは金具とポイント以外にも、靴底が「革」か「樹脂」かの違いがある。現在の少年野球や高校野球では樹脂が主流となっているが、盗塁王5度の元阪神・赤星憲広氏や同2度の元ソフトバンク・本多雄一氏(現ソフトバンク1軍内野守備走塁コーチ)らが革底を愛用していた。「革」と「樹脂」、それぞれに違った良さがある。

「革底」は年々、種類が減っていることもあり、「職人気質」のイメージが強くなっている。現在、発売されているスパイクの約9割が「樹脂」。多くの大手メーカーでは、革底はオーダーメードのみとなっている。

 革底が好まれる一番の理由は、素足のような感覚にある。プロ野球界では歴代のスピードスターも愛用していた。プロ1年目から5年連続で盗塁王のタイトルを獲得した赤星氏のスパイクは革底だった。黄金期のソフトバンクをけん引した本多氏も少数派の1人だった。

 野球用品に詳しい人の間で近年話題となったのは、2018年夏の甲子園決勝。現在は日本ハムに所属する大阪桐蔭・柿木蓮投手と金足農業・吉田輝星投手の両エースが革底のスパイクを履いていた。

 地面を踏みしめた時の感触が愛されている革底だが、炎天下でプレーすると熱を帯びるのが難点。また、革は水を吸って重くなるため手入れも大変だ。

 こうした点から少年野球や高校野球では、樹脂が主流となっている。革底に慣れている選手からは「足に馴染みにくい」といった声があったが、各メーカーは改良を重ね、選手の満足度はアップしている。革底よりも製造に手間がかからないため価格が安く、種類が多いのも魅力となっている。

(間淳 / Jun Aida)

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