米球界に衝撃、薬を渡すのが「良きチームメート」!? 法廷で薬物汚染の実態証言
エンゼルスのスカッグス投手急死についての裁判に4選手が出廷
元エンゼルスのタイラー・スカッグス投手が2019年7月、遠征先のホテルで急死した事件の裁判が15日、米テキサス州の連邦裁判所で行われた。この中で元チームメートのマット・ハービー投手が自身の薬物使用と、スカッグスとのやり取りについて証言するなど、4選手が過去に元広報部長のエリック・ケイから薬物を与えられたと認めた。薬物汚染という米球界の暗部があらわになり、大激震が走っている。
米スポーツメディア「ジ・アスレチック」はこの裁判で、マット・ハービー、CJ・クロン、マイケル・モーリン、キャム・ベドローシアンの4選手がエリック・ケイからオキシコドンを提供されたと証言したと伝えた。
またニューヨークの放送局「SNY」は、2015年に13勝を挙げメッツでエース格だったハービーの証言について詳報している。記事によればスカッグスの遺体からは当時検視の結果、フェンタニル(麻薬性鎮静薬)、オキシコドン(鎮痛剤・鎮静剤として用いられる)、アルコールが検出され、自身の嘔吐物によって窒息したことが明らかになっている。
今回の裁判でハービーは、エンゼルスでプレーしていた2019年にスカッグスからオキシコドンを手に入れ「試してみたが気に入らなかった」と証言したという。さらに自身が薬物使用者であったと認め、「エンゼルスと契約してカリフォルニア州に来てからも、コカインを使用していた」と証言した。
さらにコカインとオキシコドンに加え、ペルコセット(オキシコドンとパラセタモールの化合物)の錠剤も2019年のシーズン開幕頃に手に入れ、スカッグスにいくつか渡したという。スカッグスもシーズン中の遠征前に何度か、ハービーに“錠剤”を求めた。「先発登板前に『リラックスした』気分でいたいから」という理由で、オキシコドンが欲しいとハービーに言ってきたこともあるという。
ハービーはスカッグスの“薬物中毒”の程度については知らなかったとしている。加えて、スカッグスに「薬に気を付けろ」と言ったことがあるかと問われると「(スカッグスに薬を渡すことで)『良きチームメート』でいられると思っていた。選手たちはフィールドに残るために、出来ることは常にやっていた」と説明。怪我を押してグラウンドに立つために、今回問題になっているような薬物に頼る選手が存在する現状が露わになった。
(Full-Count編集部)