マシン低速設定で打撃力向上? プロも取り入れる“山なりボール”を打ち返す理由
少年野球ではマシンがなければ、手投げでも十分対応可能
速い球を打つだけが、プロの打撃ではない。山なりのボールを打ち返す練習をソフトバンク・栗原陵矢外野手が繰り返していた。あえてマシンでゆっくりの球速を設定しているところに、少年野球の小学生だけでなく、中学生や高校生にも打撃向上のヒントがありそうだ。その狙いをプロ野球の元コーチに聞いた。
投手板から本塁まで18.44メートルの半分ほどの7~8メートルの距離からスローボールを丁寧に打ち返す。いきなり速い球にバットを合わせようとすると、どうしても体勢が崩れてしまう。ボールに対して最もパワーを伝えやすい打撃フォームをつくることが先決だ。マシンを使用できない環境の野球少年も多いだろうが、投手役の人に近距離から緩い球を投げてもらって打てば、同じ効果を得ることができる。
ヤクルトやソフトバンクでもコーチ経験のある野球解説者の飯田哲也氏は「プロの場合は、自主トレやキャンプでの打撃フォームづくり、フォーム固め、シーズン中もフォーム確認のために、この練習を行います」と説明する。小中学生にとっても「素振りと並行して、実際にボールを打ちながらフォームを固めていくのに有効だと思います」。遅い球を打つ取り組みもいいかもしれない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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