広島商、2回戦前日に出場辞退 校長は苦渋の決断「させたくない経験、心苦しく思う」

広島商が部員の新型コロナウイルス感染で26日の2回戦を辞退した
広島商が部員の新型コロナウイルス感染で26日の2回戦を辞退した

広島商の栗田校長「このような報告をしなければいけないことを申し訳なく思う」

 第94回選抜高校野球大会の大会本部は25日、1回戦で勝利した広島商の複数の選手が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定を受けたため、26日の2回戦を辞退したことを発表。これを受け広島商の栗田正弘校長がオンライン取材に応じ「させたくない経験をさせてしまい心苦しく思う」と語った。

 広島商は24日に1回戦勝利校を対象とした大会中PCR検査(1回目)において、同宿者35人中9人が陽性と判定。その後、25日午前に医療機関で診察を受け、PCR検査を実施したところ9人全員が陽性され、栗田校長から辞退の申し出を大会本部に行い受理された。

 栗田校長はまず「明日の準備を進めてくださった大阪桐蔭高校の皆さんにご迷惑をかけた。20年ぶりの選抜出場。広商を応援してくださった皆様にこのような報告をしなければいけないことを申し訳なく思う」と謝罪。

 荒谷忠勝監督とは電話で連絡を取り合ったようで「生徒の様子をしっかり見て頂きたい。正直に受け入れられないと思う。生徒へのケアをしっかりして頂きたいと話した。会話の端々には何とか出られる道はないかと。(大会に)出してあげたいという思いが分かった」と語った。

 この日の朝まで出場の可否を迷っていたが、医療機関での陽性判定を受けたことで「苦渋の決断」と、出場辞退を正式に大会本部に伝えたという。20年ぶりの出場で勝利を手にした生徒には「させたくない経験をさせてしまい心苦しく思う」と心情を思いやっていた。

 今大会は開幕直前に京都国際が部員13人が新型コロナウイルスに感染し、集団感染と判断され出場を辞退。今回の広島商で新型コロナによる出場辞退は2校目。また、大会前の辞退はこれまで13例あるが、途中での出場辞退は初めてとなった。

(Full-Count編集部)

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