筑後が逆転勝利も「まだまだ」、夏へ向け“1キロ弁当”で体作り ポニー全日本選抜
宇都宮に4点差を逆転勝利、今大会は1勝1敗で終了
日本ポニーベースボール協会が主催する「日本旅行カップ 第6回全日本選抜中学硬式野球大会」が28日、コザしんきんスタジアム、ONNA赤間ボールパークの2会場で開催された。雨天の影響により決勝戦は行われず、最終日のこの日は交流試合を開催。コザしんきんスタジアムの第1試合では、昨年度王者・筑後リバーズ(福岡)が宇都宮ポニーベースボールクラブ(栃木)に6-5で逆転勝利を収めた。
筑後は1-5で4点を追う3回、1死二塁から2番・園原勘太くん(3年)の右前打で1点を返した。さらに1点を追加し、なおも2死一、三塁の場面。6番・山田幸聖くん(2年)の左前打で三塁走者が生還すると、一塁走者の福崎謙士くん(2年)も全力疾走して見事ホームイン。2点適時打となり、5-5の同点に追いついた。
その後、5回1死三塁で3番・山下航輝くん(3年)の中犠飛で勝ち越しに成功。6回にも1点を挙げ、6-4で逆転勝ちした。
昨年に続く連覇を目指していた筑後は、26日の初戦で市原ポニー(千葉)に0-5で完封負けしていた。この日は嬉しい勝利を飾ったものの、主将の小川耕平くん(3年)は「まだまだ実力が足りない」と笑顔は封印。「吉田正尚さんのような打撃ができるよう体を作っていきたい」と憧れのオリックス主砲を目標に、全日本選手権が行われる夏に向けて体作りに励むことを誓った。
チームでも「体作り」をメインテーマに据える。「成長期に体を大きくして、力をつけないと高校で出遅れてしまいますから」と、入部英徳監督はその意図について明かす。目標は中学3年間で体重20キロアップ。達成するために、練習日の昼食は1キロ以上の弁当を持参するように勧めている。「もっと力をつけることができる」と、さらなる奮起を促した。
前日までの悪天候により、今大会は決勝戦を開催せず。出場する全23チームが2試合以上できるように、最終日は試合数が少ないチームを優先的に交流試合を行った。入部監督は「本当にありがたい。とてもいい球場で、負けても試合ができる。優しいですよね」と感謝しつつ、「ただ、選手たちには『負けても試合ができる』とは思ってほしくないので。そこは伝えたい」と気を引き締める。この悔しさをバネに、夏に向けて強い筑後を復活させる。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)