大谷翔平が可能にする「370億円以上」の市場価値 米記者が期待する投手での進化

エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】
エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

投手・大谷に期待「もっとイニング数を投げてくれれば大歓迎だろう」

 メジャー5年目を迎えるエンゼルス大谷翔平投手。昨季は投打二刀流で大活躍し、MVPを受賞した27歳は今季どんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿しているスコット・ミラー記者がFull-Countの取材に応じ、大谷がメジャーに及ぼしている影響、今季期待していること、その“市場価値”などを語ってくれた。

 ナ・リーグでもDHが採用される今季。先発投手が打線に入っていた場合、降板後にDHとして試合に残ることが可能になる“大谷ルール”が適用される見込みとなっている。この動きに、ミラー氏は「MLBにとってオオタニがどれだけ重要な存在なのかの現れ。彼のためだけにルール変更したようなものだ。今回のルール変更は、彼が道を切り開く存在だという例の1つでもある。彼がそれだけ重要だから、MLBはルールを考案しているのだ。エンゼルスもショウヘイも大喜びだろう」と見解を示した。

 今季注目しているのは投手としての進化だという。昨季は23登板、130回1/3を投げて9勝2敗、156奪三振、防御率3.18。「もっとイニング数を増やせるだろうか。本人も可能であればそうしたいと思っているだろう。エンゼルスは投手力が大いに必要だ。エンゼルスもオオタニがもっとイニング数を投げてくれれば大歓迎だろう」と強調した。また、投打両方での昨季のような活躍は「非常に難しい」としながらも「あまりに特別な選手だから、昨年以上を狙えるかもしれない」と述べている。

取材に応じたスコット・ミラー記者【写真:盆子原浩二】
取材に応じたスコット・ミラー記者【写真:盆子原浩二】

 サイ・ヤング賞の可能性についても触れた。「私なら彼に限界を設けない。彼ならできると思う。受賞できたら素晴らしいことだろう。可能性はあると思う」と述べた。MLBで過去に新人王、MVP、サイ・ヤング賞に全て輝いたのはドン・ニューカムとジャスティン・バーランダーの2人だけ。3人目の偉業達成も不可能ではないという。

 メジャー6年目終了となる2023年オフにFA権取得が可能となる大谷。エンゼルスとの契約延長も取りざたされているが「あなたがオーナーならいくら払う?」との問いに次のように答えた。「トラウトはいくらだっけ? 3億(ドル=約370億円)あたりだったかな? その近くまではいくんじゃないかな。トラウト、マニー・マチャド、ムーキー・ベッツら総額3億(ドル)を超える選手が出てきている。昨年と同等かそれ以上の活躍を今季できれば、契約に関していえば限界はないだろう。たやすく3億ドル以上になるだろう」と述べた。同僚のマイク・トラウト外野手は2019年春に12年総額4億3200万ドル(約533億円)でエンゼルスと契約延長している。ミラー氏はこれに近い額になると占っている。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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