野球を始めるのは小学生高学年でも遅くない 上達に“必須”な3つの「成長要素」とは
多くの指導者が「野球を始める学年自体はあまり関係ない」と語る
野球を始める年齢に“リミット”はあるのでしょうか。小学高学年になって「やりたい」と思っても、周りが小学低学年から野球をやっている子ばかりだったら、尻込みしてしまうこともあるのではないでしょうか。そんな悩みを抱く少年少女のために、First-Pitch編集部が様々な取材を通して知ることができた「野球を始める学年」について紹介します。
早くから野球に親しんでいる子どもたちは経験値が高く、遅く始めた子どもよりも有利なイメージがあります。しかし、名だたる少年野球の指導者の多くは「始める学年自体はあまり関係ない」との見解を示しています。小学生の、特に9~12歳は「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、一生のうちで最も運動神経系が発達すると言われています。
この時期にしっかり体を動かして運動機能を高めることが大事だと考える指導者も多く、必ずしも野球の経験を積むことが重要とはいえないようです。「幼稚園から小学生の間は、水泳やサッカーなど他のスポーツで運動機能を高めるのがおすすめ」と話す方もいます。また、「野球が楽しいと知る期間」と話す指導者もいます。野球を長く続けるには、小学生の時期に「楽しい」と思えることが大切です。技術的な部分では「動作の理解」がポイントとなるようで、理解力が深まる高学年になってからの方が、飲み込みが早いことも多々あるのです。
実例を紹介しましょう。小学2年で野球を始めた2人と、4年で始めた1人の子どもがいました。3人に対して、全く同じ投球指導を1年間行ったところ、2年生で始めた2人の内の1人は過去の経験を頼りに理解しようとせず、4年生で始めた1人は指導の理解に努めました。その結果、理解しようとした2人は1年間で球速が10キロ以上伸びましたが、理解しようとしなかった1人の球速は3キロの上昇にとどまったのです。
現役プロの中にも、中学生から野球を始めたという選手がいます。こうした例からも「野球を始める学年」はあまり関係なく、「野球の正しい動作を理解する」ことが上達の秘訣であることが分かります。野球を始めるのは小学高学年になってからでも遅くありません。「運動機能を高めること」「野球の楽しさを知ること」「正しい動作を理解すること」から第一歩を踏み出してみましょう。
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