佐々木朗希が驚異の数値、楽天・西川は長打力も発揮 セイバー指標で選ぶパ月間MVP

ロッテ・佐々木朗希【写真:福谷佑介】
ロッテ・佐々木朗希【写真:福谷佑介】

楽天が“先手必勝”で首位躍進、ロッテは投手奮闘も打線が不振

 スタートダッシュに成功した選手をデータで探り出し、3、4月の月間MVPをセイバーメトリクスの指標で選出してみる。選出基準は打者の場合、得点圏打率や猛打賞回数なども加味されるが、基本はNPB公式記録を用いる。ただ、打点や勝利数といった公式記録は、セイバーメトリクスでは個人の能力を如実に反映する指標と扱わない。そのため、セイバーメトリクス的にどれだけ個人の選手がチームに貢献したかを示す指標で選ぶと、公式に発表されるMVPとは異なる選手が選ばれることもある。

 まずは3、4月のパ・リーグ6球団の月間成績を振り返る。

楽天:16勝6敗1分
打率.238、OPS.688、本塁打19
先発防御率2.65、QS率73.9%、救援防御率2.80

ソフトバンク:15勝11敗1分
打率.254、OPS.693、本塁打17
先発防御率3.21、QS率48.1%、救援防御率2.60

オリックス:15勝14敗
打率.206、OPS.568、本塁打10
先発防御率2.89、QS率53.3%、救援防御率2.50

西武:13勝15敗1分
打率.219、OPS.615、本塁打18
先発防御率2.98、QS率48.3%、救援防御率2.08

ロッテ:11勝14敗1分
打率.212、OPS.565、本塁打9
先発防御率1.91、QS率80.8%、救援防御率3.04

日本ハム:9勝19敗
打率.233、OPS.646、本塁打25
先発防御率4.30、QS率35.7%、救援防御率3.94

 投打がしっかり噛み合い、スタートダッシュに成功した楽天は10の貯金を作った。試合を有利に運べる秘訣は初回の得点と失点だろう。初回得点確率39.1%、初回失点確率8.7%はどちらも12球団で最も良い成績である。そして先制すれば100%の確率で勝利している。

 3、4月におけるパ・リーグ全体の打率が.227で「投高打低」が話題になったが、その要因を作ったのがロッテの先発投手陣だろう。172イニングで防御率1.47、WHIP0.87、QS率80.8%は1か月としても近年稀に見る好成績だ。ただ、援護率2.69と打線の援護に乏しく苦戦が続いた。

 日本ハムは月間25本塁打と下馬評を覆す長打力を見せているが、先発、救援ともにリーグワーストの防御率となっており、こちらも苦戦を強いられた。

 そんなパ・リーグの月間MVPは5月13日に発表される予定だが、ここでは、セイバーメトリクスの指標による3、4月の月間MVP選出を試みる。

佐々木朗希はあらゆる指標で出色の数値、山本由伸も昨年に匹敵する成績

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