沢村賞投手が勧める「足踏み投法」 コントロールを安定させるための極意とは

元ソフトバンク・摂津正氏【写真:荒川祐史】
元ソフトバンク・摂津正氏【写真:荒川祐史】

新人王や最多勝も獲得した摂津正氏 コントロールの肝を解説

 プロ野球の投手が大切にする部分の1つが「軸足」だ。溜めた力を、いかに無駄なくボールに伝えるかという動きを追求している。現役時代に5年連続の2桁勝利をマークし、沢村賞も受賞した元ソフトバンクの摂津正氏は、少年野球の子どもたちに「足踏み投法」を勧めている。

 摂津氏は、26歳でプロ入りした1年目から70試合に登板し、新人王と最優秀中継ぎ投手に輝いた。先発に転向した2011年からは5年連続で2桁勝利を記録。2012年には最多勝と沢村賞を手にしている。代名詞は低めへの制球力。150キロを超える直球はなくても、抜群のコントロールでアウトを重ねた。

 その摂津氏が投球フォームで大切にしていたのが「軸足」だ。バランス良く立つために、足踏みをイメージしていたという。「足首、膝、股関節がしっくりする形で立つことが重要です。足踏みをしながらポンと入ったところが自分の中では一番いい位置だと思っていました。歩く動きは無駄な力を使わないので、すごく理にかなっています」と語っている。

 軸足となる右足の位置を決め、投球動作に入った際の重心はやや左足寄りに置く。左足を上げて体重を軸足に乗せ、マウンドの傾斜にまかせて右足から左足へ体重を移動する。その際、右足で地面を蹴るイメージや体重移動するような意識は「ない」。あくまで無意識に動く理由を「体重を移動しようとすると、前に突っ込んでしまいます。マウンドには傾斜があるので自然に任せて、そのまま横を向いて移動していきます」と説明した。

 少年野球に打ち込む親子の悩みを解決するきっかけとなるプログラム「TURNING POINT」で解説した摂津氏。安定したコントロールを支えた下半身の使い方は、エースを目指す子どもたち必見の内容となっている。

(Full-Count編集部)

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