清宮幸太郎は「スイングが変わった」 育てながら戦う“新庄采配”を専門家も高評価
清宮、野村、万波を我慢強く起用「彼らの成長なくして未来はない」
ビッグボスこと新庄剛志監督率いる日本ハムが成長を遂げている。3・4月は9勝19敗と大きく負け越したが、5月は12勝12敗の5割。依然パ・リーグ最下位ではあるが、上位との差は詰まってきた。現役時代に中日、巨人、西武で捕手として活躍し、1982年にMVPに輝いた野球評論家・中尾孝義氏が戦いぶりを分析する。
開幕前の日本ハムの下馬評は低かった。昨季はリーグ5位で、シーズン中に中田(現巨人)、オフに西川(現楽天)、大田(現DeNA)、秋吉(現日本海オセアンリーグ・福井)が抜けた。「戦力的に他球団に劣っていることは、監督も球団も開幕前から分かっていたはず」と中尾氏は指摘する。
当初は目まぐるしく選手を入れ替え、試しながら戦っていたが、5月に入るとかなり固定化された。11年目・28歳の松本剛外野手が首位打者争いをリードする活躍で打線を牽引。クローザーには球威のあるドラフト8位ルーキー・北山亘基投手が定着。正捕手の座は、2019年シーズン途中に巨人から移籍した宇佐見真吾捕手が固めつつある。
ここにきて注目を集めているのが高卒5年目の清宮幸太郎内野手、4年目の野村祐希内野手、万波中正外野手の“若手中軸トリオ”だ。新庄監督が我慢強く起用した結果、清宮は5月に1試合2本塁打を2度マーク。万波が4日終了現在でリーグ2位の10本塁打を放ち、野村は打率を3割(.303)に乗せた。それぞれが形になり始めている。
「もともと力のある3人です。彼らの成長なくして日本ハムの未来はない。ビッグボスは目をつぶってでも試合に出すつもりだったと思います。それは就任1年目だからこそできることです。2年目以降は結果が伴わないとダメですから。今年は“種をまく年”としては、非常に順調に進んでいるのではないでしょうか」