大谷翔平の「トレードはない」 番記者断言、エ軍が“あらゆる手で引き留める”ワケ
“大谷本”出版のジェフ・フレッチャー氏がオンライン取材会を開催
米オレンジカウンティ・レジスター紙のエンゼルス番記者で、大谷翔平投手を2018年のメジャー移籍以降密着取材してきたジェフ・フレッチャー氏が12日、著書「SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男」(徳間書店)を日米同時発売する。11日にはオンライン取材会を開催し、大谷の“トレード説”についても見解を述べた。
2023年オフにFAとなる大谷に関しては、早ければ今季中にも、エンゼルスが資金力豊富な他球団へトレードで放出する可能性が取りざたされている。フレッチャー氏はエンゼルス番記者10年目のベテラン。取材会では「エンゼルスが大谷をトレードすることはない」との見方を披露。「エンゼルスには、彼を引き留めるのに十分な資金力がある。毎年チームを強くするために積極的な補強を行っているチームで、ロースターが弱くなるようなことはしない。さらに戦力面だけでなく、入場料収入、グッズ販売などビジネス面でも大谷の存在は大きい。あらゆる手を使って引き留めるはずだ」と説明した。
また大谷は、オールスター戦(19日、ロサンゼルス)にもDHと投手の両部門で選出されており、ア・リーグの先発投手として起用されるかどうかに注目が集まっている。フレッチャー氏は「私もファンも、見たいのは彼が先発する姿だ」とした上で、「彼が中継ぎで登板するのは良くない。彼が打者としてオールスターに出場することは決まっているわけで、(仮にレギュラーシーズンで経験のない中継ぎとなると)投手として普段のルーティンを守れず、怪我につながる恐れがある。先発しないなら、むしろ投手としては登板しないかもしれない」との見通しを語った。
大谷の今季最終成績はどうなるだろうか。日本時間11日現在、シーズン半ばを過ぎ、打者として打率.256、19本塁打54打点。投手としては14試合8勝4敗、防御率2.44をマークしている。フレッチャー氏は「最終的には打者として打率.270、35本塁打。投手としては、最近4試合連続自責点0だが、これは少しでき過ぎで、13~14勝、防御率2.75といったあたりではないか」と予想した。その通りなら、打者として.257、46本塁打、投手として9勝2敗、防御率3.18だった昨季に比べると、本塁打以外は数字を上げることになる。
フレッチャー氏の著書は、日本では発売前の予約段階で既に重版が決定しているという。「私の見解を日本のファンの皆さまへ提供できてうれしい」と喜んでいた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)