“原因不明”の肩痛に「先の見えない日々」 立大・荘司康誠、悲劇から得た球速20キロ増

立大のドラフト候補右腕・荘司康誠【写真:中戸川知世】
立大のドラフト候補右腕・荘司康誠【写真:中戸川知世】

侍J大学代表の立大・荘司康誠は1年終わりに原因不明の右肩痛に見舞われた

 怪我を乗り越え、ドラフト候補に成長した。立大の荘司康誠(こうせい)投手(4年)は、今春のリーグ戦でエースとして8試合に登板し、2勝を挙げ、防御率1.72を記録した。日本代表「侍ジャパン」大学代表として「第30回 ハーレムベースボールウィーク2022」に出場するなど、飛躍のシーズンとなった。進路は「プロ一本」と語る未完の右腕が、最後の秋に向けての準備を進めている。

 188センチの長身からスピンの効いたボールを投げ下ろし、最速は153キロを誇る。春季リーグの優勝をかけた5月21日の明大1回戦では9イニング、2日後の3回戦で8イニングを投げ、終盤でも150キロ台を記録したタフさもある荘司だが、入学時の球速は130キロ前後。「全くパッとしないようなピッチャーでした」と振り返る。さらに1年の終わりには原因不明の肩痛を発症し、1年ほど投げられない時期があった。

「病院も何軒か行ったりしたんですけど、あまり原因も分からなくて……先の見えない日々が結構続きました」

 迷っていた中、プロ野球選手も指導するトレーナーの北川雄介氏との出会いが転機となった。肩痛の原因は、体の使い方にあった。「それが1番のきっかけになったんですけど、さらに自分でも体のことをより考えるようになって、そこからずっと投げられています」。体の使い方がハマった結果、1年秋には142キロだった球速が、怪我を克服した2年秋には149キロ。3年春にリーグ戦にデビューすると、秋には151キロを計測した。「正直イメージはできていなかったです」。約20キロの球速アップに、自らも驚いたという。

「いろいろ体のことを勉強するようになって、それが純粋に楽しかったり、面白くて。もちろんつらかったですけど、悲観的になることはなく取り組めました」。怪我の期間が大きな成長を遂げるきっかけとなった。

秋の目標は155キロ「ゆくゆくはメジャーに行きたいと思っています」

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