「東海大相模さんがいたから成長できた」 涙の横浜高監督が“宿敵”をリスペクト

試合後のインタビューに応じた横浜・村田浩明監督【写真:荒川祐史】
試合後のインタビューに応じた横浜・村田浩明監督【写真:荒川祐史】

主将の玉城「東海大相模さんの打線は素晴らしい」

 第104回全国高校野球神奈川大会の決勝が27日、横浜スタジアムで行われ、横浜が東海大相模を1-0、9回サヨナラで下し、2年連続20度目の夏の甲子園出場を決めた。試合後、涙を浮かべながら監督インタビューに応じた就任3年目の村田浩明監督は「(優勝は)本当に嬉しいのですが、東海大相模さんがいたから、横浜も成長ができています」と感謝の思いを述べた。

 試合は白熱した展開だった。東海大相模のエース・庄司裕太投手(3年)、横浜のエース・杉山遥希投手(2年)が見事な投げ合いで、9回まで両校無得点。横浜は9回、先頭の岸本一心外野手(3年)が右翼線へ二塁打で出塁。この試合、両校通じて初の長打が飛び出すと、2死二塁から萩宗久外野手(2年)が右前適時打を放ち、試合を決めた。5年ぶりとなる神奈川の“横綱”の頂上決戦。見応えのある好ゲームだった。

 神奈川の夏を初めて連覇した村田監督。「昨年、甲子園に出ましたけど、東海大相模さんはコロナで出場を辞退された。選抜で優勝した石田(隼都投手・現巨人)くんを目標にして、毎日バットを振ってきました。本当に相模さんを追い抜け、追い越せ、という気持ちでやってきました」と胸の内を明かした。ライバルの存在があったからこそ、立つことができた頂点だった。

 先発した杉山は見事な2安打完封勝利。指揮官は「うちが勝つには守って、守り抜くこと。そのようにミーティングをしました」とバッテリーをねぎらった。サヨナラ打を放った萩についても「あれだけ練習した。信じて送り出しました」。準決勝の立花学園戦では3年生が奮起した。そして、この試合で結果を出したのは2年生。チーム一丸の勝利だった。

 主将の玉城陽希捕手も「やっぱり、東海大相模さんの打線は素晴らしいので、いつ打たれるかわからない。エースの杉山を信じていました。これまでたくさん球を受けて来ましたけど、ベストピッチングでした」と絶賛した。監督、そして選手から試合後、最大の“宿敵”をリスペクトする言葉が聞こえてきた。この思いが頂上決戦で好ゲームを展開した理由だったのかもしれない。

(Full-Count編集部)

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