高校通算64発、両打ち“怪童”が甲子園へ…ドラ1候補が強豪私立より地元を選んだ理由

高松商・浅野翔吾【写真:喜岡桜】
高松商・浅野翔吾【写真:喜岡桜】

“怪童”と称された西鉄・中西太氏を彷彿させる注目スラッガー

 プロ12球団が視察し、今秋のドラフト会議で上位指名が期待される高松商・浅野翔吾外野手。「ドラフト1位で選ばれるくらいのバッターになりたい」と高い志を持ち、プロ志願届を提出する意向だ。夏の香川大会では「1番・中堅」として全5試合に出場。2本の先頭打者本塁打を含む3本塁打を放つなど大車輪の活躍だった。

 浅野の魅力は、清原和博氏に並ぶ高校通算64本塁打の豪打だけでなく、50メートル5.9秒の俊足、遠投115メートルの強肩も兼ね備えたバランスの良さだろう。全国屈指レベルの走攻守が揃い身長171センチ、体重84キロの鍛え上げられた分厚い身体。高卒2年目に史上最年少でトリプルスリーを達成するなどの功績を残し29歳で西鉄の監督に就任した香川県出身・中西太氏以来の“怪童”と称える人もいるほどだ。

 振り返れば異名に劣らない実力者であることが分かる。8歳から「屋島シーホークス」で野球を始め、屋島中3年時に出場した軟式野球の全日本少年大会四国大会の決勝では、左中間本塁打を放つなど主将として屋島中を初優勝へ導いた。同年、侍ジャパンU-15代表に選出され、アジア選手権では5試合すべてに出場。強肩、強打を武器に4安打5得点、打率.400、出塁率.625と活躍し、日本の金メダル獲得へ貢献している。

 進学の際には全国の強豪私立から複数の誘いを受け「県外(進学)を考えたこともあった」という。しかし、父・幹司さんから「現地(甲子園)で応援されるのは地元で頑張る選手だよ」と背中を押され、自宅から自転車で15分の距離にある伝統校・高松商への進学を決めた。そして今夏、主将として自身2度目の甲子園出場を叶えたのだ。

新チーム以降は両打席から柵越えを狙えるスイッチスラッガーへ進化

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