大谷翔平の電撃移籍は? GMの目は充血…同僚左腕は“覚悟”「クレイジーになり得る」

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

大谷はマルチ安打&2四球と躍動も移籍期限前最後の試合は競り負けた

 異様な静けさだった。エンゼルスのロッカールーム、大谷はロッカーの椅子にゆっくりと身を沈めた。8月2日(日本時間3日)のトレード期限前は最後の試合。8試合ぶりマルチ安打&2四球と全4打席で出塁したが、勝ち星は遠かった。

 試合前からトレード関連の話題が目立った。大谷の次回登板は移籍期限後の3日(同4日)の本拠地・アスレチックス戦に決定。ネビン監督代行に報道陣から「大谷翔平のトレードはないということか?」との質問が飛んだが、指揮官は「私は関わっていないからね。彼は水曜日に投げるよ」と笑い飛ばした。7月は6勝18敗と大きく負け越し、地区4位のチームが上向く気配もない。指揮官の笑顔がどこか虚しい。

 選手も敏感だ。この日、2年目左腕のデトマーズが7回3安打2失点と好投。キャリアハイの12三振を奪った。ここまでチームに動きはないが、次回登板でメンバーが大きく変わる可能性もある。「どうなるか分からないね。次の数日間はかなりクレイジーになり得る。でも僕の手でどうこうできることでもないし、何かできるものでもない」。試合後に複雑な心境を口にした。

 米メディア「ジ・アスレチック」のジム・ボウデン氏によると、マリナーズがナショナルズ・ソトと大谷の移籍期限前のトレード獲得を諦めたという。試合後、目を充血させたペリー・ミナシアンGMは忙しそうにロッカールームへ入っていった。大谷の去就が大きく注目されているが、現状のトレード懸案は先発のノア・シンダーガードか。

 このオフ、エンゼルスは大谷との契約延長に全力を尽くすとみられている。それでも来季以降に勝てる、魅力的なチームでなければ……。チームは大きな岐路に立たされている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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