昨夏王者・花咲徳栄が浦和学院にサヨナラ負け 3年連続同一カードの決勝戦
1点リードの9回にソロ本塁打と押し出し死球で…
昨夏の甲子園王者・花咲徳栄がまたしても宿敵に1点差で屈した。春季高校野球埼玉大会は4日、県営大宮球場で花咲徳栄と浦和学院による3年続けて同一カードの決勝が行われ、浦和学院が6-5でサヨナラ勝ちし、6年連続15度目の優勝を遂げた。
花咲徳栄が5-4とリードして迎えた9回裏。八回から登板していた3番手の右腕・斎藤倖介が、昨夏の埼玉大会で4本塁打を記録した5番・蛭間拓哉に初球を痛打され、バックスクリーンへ運ばれ同点。この後、2四球と暴投などで2死満塁となり、2番・矢野壱晟に2ボールから投じた3球目が痛恨の死球。2時間36分の熱戦はあっけなく終幕した。
昨年の決勝も延長十回まで競り合いが続き、花咲徳栄は今回と同じく2四球と暴投からピンチを招き、6-7でサヨナラ負けした。2年前の決勝も同スコアの6-7で敗れるなど、どうも浦和学院には相性の悪さが付いて回るのだ。
昨夏の埼玉大会は初顔合わせの決勝で快勝したが、最近5年間の春と秋の決勝対決は今回を数えて6度目だが、6連敗を喫している。就任18年目の岩井隆監督は、「浦和学院さんとはいつもこんな戦いになるなあ。もっと走塁の意識を高くしないといけない」と嘆息した後、「3点差にできなかったあたりでサヨナラのにおいを感じていた」と7回の判断ミスを勝敗の分岐点に挙げた。
4-3の7回、花咲徳栄は4番で主将の野村佑希と羽佐田光希の連打で1死一、三塁と追加点の好機を膨らませ、倉持賢太の右越え二塁打で野村が生還。岩井監督は三進しかできなかった羽佐田の走塁に苦言を呈した。「あそこは本塁まで還らないとね。考えながら攻められる力がつけばさらに攻撃力は上げるのだから」と夏までの課題を提示した。