大谷翔平が「勝つと思えない」 番記者が忖度なしのMVP予想、ジャッジ逆転の勝機
エンゼルス番フレッチャー記者はMVP2位と予想「打撃面でもっといい成績を」
エンゼルスの大谷翔平投手は29日(日本時間30日)から本拠地・ヤンキース3連戦に臨む。注目はリーグ打撃2冠王、アーロン・ジャッジ外野手とのMVP争いだ。オレンジカウンティ・レジスター紙のエンゼルス番、ジェフ・フレッチャー記者は「今年オオタニが勝つとは思えない」と忖度なしに断言する。勝機を挙げるなら……。
今季のア・リーグMVPは、なんとも評価の難しい戦いだ。大谷は11勝&28発と投打で結果を出す一方、ジャッジは49本塁打とア・リーグ記録のロジャー・マリスの61本を上回るペースでかっ飛ばしている。フレッチャー記者も「比べるのはとても難しい。1人は二刀流で、もう1人はそうじゃないからね」と頭を悩ませる。
では、なぜ「オオタニはMVP2位」と評価するのか。メジャー取材歴24年、2013年からエンゼルス番を務めているフレッチャー記者は、セイバーメトリクスによる打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価する指標「WAR」を重要視する。28日(同29日)までジャッジはメジャー1位の「7.5」。それに対して大谷はリーグ2位(メジャー5位)の「6.8」だ。
「昨年はオオタニが1番高かったが、今年は違う。オオタニは打者としては昨年ほど良くないからね。今年の方がいい投手ですが。だから、現状ではオオタニはMVP2位だと思っています」
MLB公式サイトのMVP予想でもジャッジが優勢だ。大谷が“大逆転”で連続MVPをつかむには? フレッチャー記者は、ここまで打率.265、28本塁打、77打点の打撃成績を上げることに尽きると言う。
「残りの5週間、打撃面でもっといい成績を残すことだ。それがジャッジとの差を埋めることになる。そしてジャッジがスランプに陥れば……。まだチャンスはある。追いつけないほど離されてはいない」
ここまで投手では11勝8敗、防御率2.67。ここまで128イニングで、規定投球回の到達に注目が集まる。もちろん規定打席とのダブル到達となれば、史上初の快挙となる。これもMVPレースの後押しとなるはずだ。
同僚マックス・スタッシー捕手は「アーロン・ジャッジは信じられないような歴史的なシーズンを送っている。私たちはスローダウンさせないといけないね。ジャッジもスペシャルなことをしているが、ショウヘイもスペシャルなことをしている」と語った。エンゼルス番記者の予想を覆すMVP争いは実現するだろうか。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)