大谷翔平、これから期待される史上初の偉業 ダブル規定到達だけじゃない快記録は?

アストロズ戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
アストロズ戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

シーズン200奪三振なら日本人4人目、30HR&200Kは史上初の快挙となる

 エンゼルスの大谷翔平投手は3日(日本時間4日)、本拠地・アストロズ戦に「3番・投手兼DH」で投打同時出場し、8回5奪三振6安打1失点の好投を見せた。今季12勝目はならなかったものの、今季最多111球の熱投。「感覚は良かった」という新球のツーシームを効果的に使い、数々の偉業の達成を予感させる投球となった。

 史上初のダブル規定到達へ前進した。今季最長タイの8回を投げて、今季の投球回数は昨季の130回1/3を上回って自己最多の136回に。162イニングの規定投球回到達へは、あと26回だ。次回登板は中6日を空けた、10日(同11日)の敵地・アストロズ戦に決まっており、今季は残り4、5登板。仮に4登板なら1試合平均7イニング以上とハードルは高いが、「良し悪しは必ず出てくると思いますけど、今日みたいに長い回を投げられれば、それだけ勝つチャンスが多くなるので頑張りたいなと思います」と大谷。決して不可能ではなさそうだ。

 この日は「奪三振を捨ててます」と振り返ったものの、8回を投げて5奪三振をマーク。3回にはメジャー通算400奪三振にも到達した。「400奪三振&100本塁打」は両リーグではベーブ・ルース(488奪三振&714本塁打)に次いで2人目の快挙。また、今季の奪三振数もリーグ5位の181個に伸ばした。奪三振率11.98はメジャートップ。残り4、5登板で、あと19に迫った大台到達は十分可能だ。

 シーズン200奪三振は日本人投手では野茂英雄(4度)、松坂大輔(1度)、ダルビッシュ有(4度)の3投手だけ。元祖二刀流のベーブ・ルースのシーズン最多奪三振は1916年の170個で、「30本塁打&200奪三振」となれば両リーグ史上初の快挙となる。

 これらの偉業を達成すれば、二刀流にとっては最高の栄誉とも言える最優秀選手も見えてくる。リーグ2冠王のヤンキースのアーロン・ジャッジと歴史的なMVPレースを繰り広げているが、ボリンジャー記者は「200奪三振は大きな数字になる。投票する記者たちは奪三振数が大好きですから。投手として200奪三振。打者として30本台後半のホームランを打てば、(ジャッジでも)肩を並べるのは難しいでしょう」と期待を寄せる。

 仮にMVPを複数回受賞することになれば、日本人初の快挙。2年連続MVPとなれば、メジャーでは2012、2013年のミゲル・カブレラ(タイガース)以来9年ぶりとなる。2022年シーズンも残り1か月。不可能を可能とする大谷翔平のラストスパートに期待がかかる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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