山川穂高が自らを“真の4番”と認めぬワケ 40号到達も「あまり期待しないで」
9月は打率.175の不振 チームは3年ぶりV消滅
■西武 4ー1 ソフトバンク(27日・ベルーナドーム)
西武の山川穂高内野手は27日、本拠地ベルーナドームで行われたソフトバンク戦で、9試合ぶりの一発となる先制40号2ランを放った。これが決勝点となり、チームは4-1で勝利した。山川にとっては、2019年以来3年ぶりの40発到達。9月に入ってから18試合で打率.175(66打数13安打)、3本塁打8打点と落ち込んでいるが、スランプ脱出を告げる祝砲になったのか──。
試合終了後、お立ち台に上がった山川は「札幌の試合(24日の日本ハム戦)では、僕が試合前の円陣で『(先発)全員安打を打ちましょう』と言って、その通りになった。言霊(ことだま)って本当にあるから、きょうも『ホームランを打ちます』と言いました。めちゃくちゃマグレです」と打ち明け、スタンドを沸かせた。
言霊とは、言葉自体に霊力が宿っていて、口に出したことは実現しやすいとされていること。しかし、お立ち台で続けて「これで(不振は)吹っ切れましたか?」と聞かれた山川は、「いやあ……」と渋面をつくり、しばし絶句。「あまり期待しない方がいいと思います」と笑わせた。そこも言霊ではないのか──とツッコミを入れたくなるが、良くも悪くも嘘をつけない人の好さがにじみ出ていた。
初回2死から、3番の森が四球で出塁した後を受け、ソフトバンク先発の石川がカウント0-1から投じた内角低めのフォークをすくい上げた。打球は左翼席上段へ飛び込み、「この1本はうれしい。今年1番うれしいかもしれません」と感慨深げだ。
というのも、3・4月の打率.365、8本塁打19打点、5月の.321、9本塁打18打点と比べると、9月は別人のような不振の中にいる。チームも12日から7連敗を喫して3年ぶりのリーグ優勝の可能性が消滅し、CS出場圏内の3位の座をめぐり、楽天と激烈な争いを繰り広げているところだ。