エ軍本拠地が“ジャッジ一色”も…大谷翔平MVPを名物解説は熱弁「心配するな」
エ軍の名物解説グビザ氏は大谷推し「ショウヘイは歴史そのもの」
■エンゼルス 4ー1 アスレチックス(日本時間29日・アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手は28日(日本時間29日)、本拠地のアスレチックス戦に「3番・指名打者」で先発出場した。4回に右前打を放ち、自己最長の13試合連続安打に更新した。4打数1安打1得点で打率.273。チームは逆転勝ちで3連勝を飾った。
白球が一筋の線となった。同点に追いついた4回無死。大谷は自己最長を更新する13試合連続安打を放った。打球速度109.7マイル(約176.5キロ)。角度さえつけば豪快弾だった。そう言わんばかりに一塁ベースでは、少し納得いかない仕草を見せた。
試合開始25分前だった。ヤンキース・ジャッジのリーグ記録に並ぶ61号映像が、エンゼルスタジアムの大型スクリーンに映し出された。スタンドの観客はまばらだったが、それでもドッと沸く。いつもと違う異質な空気が流れる中、大谷は左翼付近でウォームアップしていた。ショートダッシュを繰り返し、立ち止まっては太ももをストレッチ。1人で黙々と準備を整えていた。
いつもと違う空気はメディアにも流れていた。地元放送局バリースポーツ・ウエストの名物解説、マーク・グビザ氏と球場内で鉢合わせになった。大谷vsジャッジのMVP争いでは、もちろん“大谷推し”の熱血漢。ただ、ジャッジの61号には反応せざるを得なかった。自ら切り出した。
「アーロン・ジャッジ……ジャッジがついに61号か。それでもMVPはショウヘイだ。心配するな。かなりの接戦になるだろうがね。ショウヘイは歴史そのものだ。ショウヘイがMVPだ」
記者席へ続く通路のテレビもヤンキース戦。試合が始まってもジャッジのHR映像が初回攻撃終了後に再び流された。今やジャッジの本塁打は、全野球ファンの関心事なのは間違いない。
大谷は29日(同30日)の本拠地・アスレチックス戦では15勝目をかけて先発マウンドに上がる。メジャー初の規定投球回も9回に迫っている。エ軍本拠地をも沸かせたジャッジのように――。歴史的なMVPレースは、いよいよ最終コーナーに入る。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)