大田泰示「しんどかった」 ノンテンダーから1年、折れかけた心を蘇らせた番長の言葉

契約更改交渉に臨んだDeNA・大田泰示【写真:小谷真弥】
契約更改交渉に臨んだDeNA・大田泰示【写真:小谷真弥】

今季62試合出場も「1年間よくやってくれた」 DeNAフロントの言葉に喜び

 DeNAの大田泰示外野手は2日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸5000万円(金額は推定)でサインした。昨オフに日本ハムから来季の契約を提示されない「ノンテンダー」となってから1年。日本球界では異例の形で移籍した男は、その言葉をどのように受け止め、どのように今シーズンに臨んできたのか。契約更改後の会見で熱く語った。

 大田の表情が自然と緩む。「1年間よくやってくれた」。球団フロントとの契約更改交渉。1年前とは明らかに違う。心のモヤモヤがスッと晴れるようだった。

「怪我をして離れる時間が多かったですけど、僕自身、すごく嬉しかったです。球団の方から、そういうお言葉をいただいて、来て良かったなと強く思ったので。そういった意味では1年頑張ってきて、すごく充実した1年だったなと思います」

「野球をやる楽しさ、勝った時の喜びは、本当に少年の心に戻ったような。野球を本当に楽しめたシーズンだったなと思います。何歳になっても、野球は楽しいなと感じました」

 2021年11月16日。日本ハム幹部との会談の席で自由契約とする旨を伝えられた。会談時間は10分。「FA権を行使するよりも自由契約の方が他球団との交渉をしやすくなる。野球をやる上で、いい選択ができる」と説明を受けたが、予想もしなかった通告に心が動揺した。「前に進んでいくしかない」。表向きには、こんなコメントしても心が折れかけたという。

「ノンテンダーという言葉はありますけど、現実はクビと一緒なので。ファイターズにトレード移籍して、栗山監督にたくさん試合に使っていただいて、レギュラーになって、たくさんお金をもらって。いろんなことを経験しながら頑張ってきた中で、ノンテンダーとなった瞬間は結構しんどかったです」

「応援してくれるファンのために。冗談抜きでそう思えるシーズンだった」

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