中日戦力外の平田、育成でも厳しい“再起の道” ベテランに待つ現実…1年で引退が多数

中日を退団した平田良介【写真:小西亮】
中日を退団した平田良介【写真:小西亮】

39歳で育成となった多村仁志氏は1年で引退決断

 今季限りで中日を戦力外となった平田良介外野手は、いまだ新天地が決まっていない。自身は退団後から一貫してNPBでの現役続行を希望。もし支配下でのプレーが厳しければ、育成という立場も選択肢に入ってくるかもしれない。ただ、来年で35歳。ベテランの3桁背番号には、厳しい現実も待っている。

 通算105本塁打の強打と、2018年にはゴールデングラブ賞を獲得した守備力。何より、17年間の経験は、平田の大きな財産になっている。中日退団後に更新した自身のYouTubeでも「もし次のプロ野球チームに呼んでいただけることがありましたら、ベテランならではの経験を、後輩たちに伝えていければと思います」と語っていた。

 NPBにこだわるなら、これまでの立場を捨て、育成でも拾ってくれる球団を探すことになる。とはいえ前例を見ても、決して容易い道のりではない。2015年限りでDeNAを戦力外となった多村仁志氏は、39歳を迎える2016年に育成として中日に入団。2軍で28試合に出場したのみで、支配下復帰は叶わず1年で引退を決断した。

 元巨人の野間口貴彦氏は、31歳シーズンの2014年に育成に。トミー・ジョン手術からの復帰に向け懸命なリハビリを続け、2015年に支配下に復帰した。ただ、1軍登板はなく、その年で引退となった。今季も再起を果たせずにユニホームを脱いだ選手がいた。2021年限りでロッテを戦力外となった大嶺祐太投手は、中日の育成として春季キャンプは1軍に呼ばれたが、シーズンでは1軍マウンドが遠かった。オフに2年連続で戦力外通告を受け、34歳で引退を迎えた。

 もちろん奮闘したケースもある。久保裕也氏(現楽天2軍投手コーチ)は2018年にリハビリのため育成となるも、シーズン途中に支配下に復帰。25試合に投げ、1勝1セーブ3ホールド、防御率1.71をマークした。翌2019年も22試合に登板。2020年限りで現役を引退した。

 ベテランにとっても難しい育成からの再出発。平田は支配下や育成でNPBに新天地を見つけられるのか、それとも……。まもなく年の瀬。決断の2023年は迫っている。

(Full-Count編集部)

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