バントもサインもなし…中学生なのに木製バット 異色チームが求める“究極のゴール”とは
新潟市の新潟クラウン 究極のゴールは全選手が本塁打
野球の常識に捉われない指導方針で、力をつけているチームがある。新潟市にある中学軟式のクラブチーム「新潟クラウン」。練習は短時間で、保護者の当番はなし。さらに、バントやサインはなく、選手は公式戦でも木製バットを使っている。指導の根底には「道具や大人の力を借りず、選手のパフォーマンスだけで勝つ野球」がある。
2019年に新潟クラウンを立ち上げた江藤大雅監督は、選手の可能性を広げるため、野球の常識を疑ってきた。特徴的なチーム方針は「ノーサイン」と「木製バットの使用」。その理由を、こう言う。
「野球は団体競技ですが、1つの球に対して2人の選手が同時にプレーすることはありません。打席で自分を助けられるのは、自分の技術だけです。道具や大人の力を借りず、選手のパフォーマンスだけで勝つことを目標にしています」
サインを出さず選手に強振させているが、バントを否定しているわけではない。強いスイングで打球を遠くまで飛ばす技術がなければ、セーフティバントもスクイズも生きないと指摘する。究極のゴールに「全選手が本塁打」を掲げ「バットを強く振って打力がついたら、いずれはバントもできるようになってほしいと思っています」と話す。