侍J栗山監督がWBCへ示した“嫌われる覚悟” メジャー陣に寄せる感謝と期待
出場意欲示す選手に嬉しさも「グサグサ来るの。選んであげたいけど…」
侍ジャパンの栗山英樹監督は、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で悲願の世界一奪回を目指す。決戦が近づいてくる中、「Full-Count」のインタビューに応じ、日本代表の指揮を執る覚悟や、出場を表明した大谷翔平投手、ダルビッシュ有投手、鈴木誠也外野手の“メジャー組”への思いなどを明かした。
穏やかだった栗山監督の表情が一変した。それは選手選考について話が及んだときのこと。「ジャパンの監督は非情なり、だから」。勝負師としての覚悟がにじんだ。
11月の強化試合を終え、候補選手一人一人のことを考え、向き合う12月。ニュースを見れば多くの選手たちがWBCへの出場意欲を語っている。嬉しさ、ありがたさを感じながらも「それがね、グサグサ来るの。選んであげたいけど……。見ない方がいいんだけど、どういう意図でこっちにメッセージを送っているんだろうっていうのは感じないといけないし、選手のメッセージを無視するわけにはいかないから」と本来の優しさがのぞく。
それでも「やるしかない」と“非情”を宣言するのは、国を背負い、勝つことだけにこだわるからだ。束ねるのは一流選手だけに「俺ら以上に野球を分かっているし勝ち方を知っているから、“ここは自分じゃないだろ”っていうのも分かっている。だから、そこでバサッと代えられなかったら、この人何やっているんだろうって絶対思うから、そこはしっかりとやります」と采配面でも方針は同じ。「嫌われないとダメなんです。まあ元々嫌われているタイプだから大丈夫」と笑いながら、その目は本気だった。
責任感は、日に日に増す。サッカーW杯を見れば「気持ち悪くなったり吐きそうになったりする」と重圧を自らに重ね合わせた。大谷、ダルビッシュ、鈴木が続々と参戦を表明し、「やはり大きなこと。世界トップレベルの選手たちなので、メジャーの中でも。ただ出てくれた以上、彼らの『日本野球勝ちますよ』っていうメッセージだと思うので、なんかすごい責任を感じるし、そういうのはありますね」と思いを受け止めた。