通算223勝のレジェンドが再契約できない理由 明暗くっきり…強烈“FAインフレ”市場
ロイヤルズのレジェンド、グリンキーが好成績を残したのに再契約できない?
メジャーリーグのFA市場を、記録的な“インフレ”が襲っている。このあおりを受けているのが、ロイヤルズなど6球団でプレーし、通算223勝を挙げている右腕ザック・グリンキー投手だ。今季は12年ぶりにロイヤルズへ復帰し4勝9敗。ただ、防御率は3.68だった。ロイヤルズと球団レジェンドとの再契約に進展が見えない現状を、地元紙「カンザスシティ・スター」が伝えている。
記事はまず、今季オリオールズで12勝を挙げたジョーダン・ライルズ投手とロイヤルズが契約したことを紹介している。その上で「ライルズと契約したことは、ベテランのFA右腕グリンキーとの契約を諦めたことを意味しているのかもしれない」としている。
JJ・ピコロGMはさらに先発ローテーションの強化を模索すると明らかにしている。今季終了前に、39歳のグリンキーが2023年も投手を続けると決めれば、彼との再契約に興味を持つだろうと公言していたこともあり、再契約に動くかと思われたが話はそう単純ではないようだ。
米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者とNYポストのコラムニスト、ジョン・ヘイマン記者の両氏は「グリンキーの契約の遅れは、より実績の少ない投手に対して今オフ続いている“インフレ気味な契約”が関係している」と伝えている。
例えば、米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」でFA選手中14位にランクされていたジェイムソン・タイヨン投手は、4年5600万ドル(約73億円)という予想に対し実際にはカブスと4年6800万ドル(約89億円)で契約した。16位のタイワン・ウォーカー投手も4年5200万ドル(約68億円)の予想から、フィリーズと4年7200万ドル(約94億円)の契約。市場が開く前の予想から、金額が跳ねあがっている。
グリンキーは今季、2度の短期間の故障者リスト入りがあったものの、26先発(137イニング)で4勝9敗、防御率3.68、WHIP1.34という好成績を残している。ピコロGMはグリンキーとの再契約について「考え続けるよ」としており「今は、まだ、うまくいっていない。でも、このオフはまだ先が長いし、どうすればチームが良くなるかを模索し続ける」とも。再契約をしたくても進まない現状に頭を悩ませているようだ。
(Full-Count編集部)