背水ドラ1は一皮むけるか? 潜在能力ピカイチ大型右腕も…西武の「プロスペクト5人」

西武・渡辺勇太朗(左)と隅田知一郎【写真:荒川祐史】
西武・渡辺勇太朗(左)と隅田知一郎【写真:荒川祐史】

2021年ドラフト1位隅田はまさかの10連敗も高い向上心で2桁へ

 松井稼頭央新監督の下で4年ぶりのリーグ優勝を狙う西武で、台頭が期待される“プロスペクト“は誰か。指揮官交代をきっかきに、伸び悩んでいた実力を開花させそうな選手の「TOP5」を独断で選出してみた。

 5位は、2020年のドラフト1位、“よくばり君”こと渡部健人内野手だ。中村剛也内野手、山川穂高内野手の系譜を継ぐ“ぽっちゃり系”の大砲で、2022年もイースタン・リーグで10本塁打を量産したが、打率.184はいただけない。1軍出場はなしに終わった。“本家”おかわり君の中村は2023年に40歳のシーズンを迎えるだけに、後継者として名乗りを上げたいところ。ひと皮むけた姿をぜひ見たい。

 4位は西川愛也外野手。埼玉・花咲徳栄高3年の夏に甲子園大会で全国制覇を成し遂げ、ドラフト2位で入団したが、2022年も1軍では30打数ノーヒット。プロ入り以来通算1安打のみ(61打席54打数、打率.019)とくすぶっている。2軍では好守に可能性を感じさせるが、プロ6年目は厳しく結果を求められる。

 3位の高木渉外野手は、2022年にイースタン・リーグで15本塁打を放ち、本塁打王のタイトルを獲得した。1軍では打率.111(36打数4安打)と苦しんだが、出場機会を重ねることで解決される部分が多いと見る。4位の西川とは同学年の同期入団だが、こちらは育成からはい上がってきた。

 2位は22歳の未完の大器、渡辺勇太朗投手。2022年はオープン戦で好投を重ね、初の開幕ローテ入りを果たし、チーム3戦目の3月27日オリックス戦に先発したが、3回6失点(自責点4)。8月に新型コロナウイルスに感染したこともあって、結局3試合で1勝1敗、防御率6.08に終わった。191センチ、96キロの体格に秘められた潜在能力の高さは、誰もが認めるところ。埼玉・浦和学院高時代の同級生の蛭間拓哉外野手が早大を経てドラフト1位で入団し、5年ぶりにチームメートに。大いに刺激を受けており、ブレークの条件は揃っている。

 1位に推したいのは、新人王の最有力候補と言われた2022年に、1勝10敗とまさかの“借金9“を背負った左腕・隅田知一郎投手だ。開幕2戦目のオリックス戦で先発デビューし、7回1安打無失点の快投で初登板初勝利を飾ったが、そこから10連敗。勝負所でコースが甘くなる詰めの甘さもあったが、防御率3.75が示す通り内容はそこまで悪くなかった。今オフは巨人・菅野智之投手、メッツ・千賀滉大投手も師事する鴻江寿治トレーナーの門をたたく。向上心、思考力の高さも“買い“で、2桁勝利は決して高過ぎる目標ではない。

 正捕手の森友哉がFAでオリックスへ流出したが、プロスペクトたちの成績次第で、優勝に近づくことは十分可能。特に投手陣は、セットアッパーから先発へ転向する平良海馬投手を含め、一大投手王国を形成する可能性をはらんでいる。

【ランキング一覧】ドラ1や未完の大器に期待大! 西武のトッププロスペクトTOP5

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