重要な大谷翔平の“前打つ打者”、奥の手は日系選手? 専門家が提唱…最強の侍J打線
4番は村上…大谷翔平は3番固定「打つ方でも外せない」
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が3月に迫っている。侍ジャパンの最終メンバーは未発表だが、評論家諸氏は現時点で“ベストスタメン”をどう思い描いているのだろうか。現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)で計21年間捕手として活躍した野口寿浩氏に聞いた。
「村上(宗隆=ヤクルト)の4番・サードは不動。文句なしでしょう。その前後に大谷(翔平=エンゼルス)と鈴木誠也(カブス)。大谷になるべく多く打順を回したいので、3番に置きたいですね」と、まずクリーンアップを固めた野口氏。大谷の起用法については「二刀流でいいと思います。WBCでも、先発投手が降板後にDHとして継続出場できる“大谷ルール”が採用されると想定して考えました。いずれにせよ、大谷は打つ方でも完全に主力メンバーで外せないと思います」と語る。
最大の問題は、1、2番の人選だと指摘する。「日本人選手に限定して考えるなら、大谷の前に走者を置く確率を高めるため、出塁率の高い近藤(健介=ソフトバンク)を置く。1番は、相手の先発が右投手の場合は近本(光司=阪神)、左の場合は塩見(泰隆=ヤクルト)の2プラトンが最善の策かなと思います」と提言する。なぜ相手の右・左によって替える必要があるのかと言えば、MLBに速いシンカー系のボールを操る投手が多く、右対右、左対左は打者にとって極めて不利になるからだ。
「右腕で100マイル(約161キロ)のシンカー・ボーラーもいます。準決勝以降には、アメリカ、ドミニカ共和国などからそういう投手が出てくる。メジャーで経験を積んでいる鈴木誠也以外、右打者は対応が極めて難しいでしょう」と野口氏。たとえば、マーリンズのサンディ・アルカンタラは“161キロで48センチ曲がるシンカー”で知られ、2022年のナ・リーグのサイ・ヤング賞を受賞。WBCではドミニカ共和国代表に名を連ねると見られている。「そういう投手に対して塩見が初回ヨーイドンで打てるかと言うと、しんどい。左打者の近本なら、逃げていく球になるので、コンと転がして内野安打を狙えるかもしれない」と情景を思い浮かべる。