侍Jの燕・中村悠平が残した置き手紙 “激似”の弟が「泣きそうになった」粋な行動
中村の弟・辰哉さんはDeNAでスタッフを務めている
侍ジャパンの一員としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一を目指すヤクルトの中村悠平捕手には、5学年下の弟がいる。DeNAでチームサポーター兼チーム付デスクを務める中村辰哉さん。幼少期から「ずっと似ているといわれていました」という顔立ちだけでなく、雰囲気も野球の仕草もそっくり……。日の丸を背負う兄へ、辰哉さんが照れながらもエールを送った。
5学年離れているため、同じチームでプレーしたことはない。しかしずっと背中を追い続けてきた。「小学生のときから兄が『プロ注目』と言われていたけど、それ何だろうって感じで、そうしたら自分が中学1年生のときにドラフトで指名されて。信じられなかったですね」。自身もNPBを目指して捕手として独立リーグまでプレーした。
2019年から裏方としてDeNAで打撃投手などを務める。同じ世界で働き始めたことで「NPBの1日の流れ、さらに1年間の流れを知って、当たり前のように試合に出続ける体力もメンタルも、改めて凄い兄貴だと思いました」と身に染みて感じることができた。
中学3年生のときには、兄と同じ福井商進学を決めるも「練習のレベルもきつくなるし、福井県内から凄い選手が集まるし、正直不安が多かったんです」。そんなとき、年末年始を利用して帰省した兄が東京に戻る際に手紙を残していった。辰哉さんは「『厳しい世界だと思うけどプロを目指すなら頑張れよ』みたいなことが書いてあって……。泣きそうになりました。兄貴は覚えてないと思いますけど」と懐かしんだ。
今も食事に出かけては何気ない会話を交わす仲良し兄弟。「会ったら普通の兄だけど、テレビで試合とかを見ていると兄とは思えない存在です。WBCで見るのが楽しみ。世界一になってほしいと思います」。その時を心待ちにしている。