少年野球で“禁止”の変化球が送球向上につながる? 専門家が練習に取り入れる意図
東農大・勝亦陽一教授「変化球を知ると真っ直ぐ強く投げる感覚つかめる」
少年野球では変化球が禁止されている。だが、小学生からプロまで幅広いカテゴリーの選手をサポートしている東京農業大学教授の勝亦陽一さんは「全力で投げないように注意すれば有効な練習になります」と話す。強く真っ直ぐ投げるコツをつかめるという。
パフォーマンスを上げる体の使い方やトレーニング方法を指導している勝亦さんは1月30日、静岡県掛川市の少年野球チーム「グッドフェローズ」で出張指導した。選手たちのキャッチボールを確認すると、「変化球を投げてみよう」と声をかけた。
選手を集めた勝亦さんは、カーブとチェンジアップの投げ方を伝えた。右投げの場合、カーブを投げる時は(テークバックの際)手の平が三塁側に向くと説明。チェンジアップでは親指と人差し指で輪をつくるサークルチェンジの握りを示し、中指と薬指と小指の3本を使って投げるよう教えた。
勝亦さんは少年野球で認められていない変化球の習得を勧めているわけではない。意図は別のところにあった。
「手の平の向きや指のかかり方によって、投球がどのように変化するかを知ると、真っ直ぐ強い球を投げる感覚がつかめます」