栗山ジャパンは「人と人の距離が凄く短い」 不可欠な一体感生む“ダルビッシュ語録”

侍ジャパン・ダルビッシュ有【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・ダルビッシュ有【写真:荒川祐史】

宇田川会だけじゃない…15歳下の宮城にも「友達と思って接している」

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑む侍ジャパンの宮崎キャンプは、開始後1週間を経過した。メンバーの中で断トツの注目度を誇っているのが、チーム最年長のダルビッシュ有投手(パドレス)だ。日米通算188勝を誇る右腕の行くところ、ファンの人だかりができ、ブルペンに入れば、チームメートの若い投手たちが鈴なりになって1球1球を見つめ、アドバイスを求めてくる。実際、類まれなキャリアに裏打ちされたダルビッシュの言葉を見聞きしていると、目から鱗が落ちる思いにさせられる。宮崎キャンプで耳と心に残った“ダルビッシュ語録”の中から、ベスト5を選んでみた。

「キャリアは関係ない。自分はアメリカ生活が長いので、年功序列も全く考えていない」

 チーム最年長の36歳どころか、唯一の1980年代生まれ(1986年)のダルビッシュだが、自ら若い選手との距離をみるみる縮めていった。話題になったように、オリックス・宇田川優希投手が当初、侍ジャパンの雰囲気になじめずにいると聞くと、休養日に行われた投手陣の食事会で積極的に話しかけ、輪の中心に迎え入れた。自身のツイッターで記念写真に「宇田川さんを囲む会に参加させていただきました!」とのコメントを添えた。その結果、ダルビッシュが「宇田川君は数日前までもじもじしていたけれど、食事会をきっかけに落ち着いて、翌日からは投手陣の中心。自分の手の届かないところに行ってしまいました」とおどけるまでになった。

 こうして投手陣の雰囲気を和ますことができるのは、上記の言葉に表れているように、“上から目線”で物を言うことがなく、年齢の差を感じさせないから。15歳下のオリックス・宮城大弥投手に対して「友達だと思って接している」と言い、チーム最年少の20歳の中日・高橋宏斗投手について「気遣いはしてほしくない。みんなが同じ年齢だと思ってやってほしい」と訴える。

 今回の侍ジャパンの強みを「人と人の距離がすごく短いところ。普通、この短期間にまとまることは難しいが、このチームの場合はできると思う」と見ている。そんな一体感を生み出しているのは、他ならぬダルビッシュ自身だろう。

若き日からの変化…「1人の人間として見てくれる」夫人の存在

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