不調も受け入れ「落ち込む必要ない」 侍Jを導くダルビッシュの“言葉の力”
好調も不調もあるのが野球…「リラックスしてほしいなと思います」
野球日本代表「侍ジャパン」は12日、「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 1次ラウンド 東京プール」のオーストラリア戦(東京ドーム)に7-1で快勝し、プールBの首位突破を決めた。4連勝という好結果の中でも、状態の“良し悪し”が出るのは仕方がない。ダルビッシュ有投手(パドレス)は試合後、改めてナインを思いやりながら、言葉を送った。
準々決勝が行われるのは16日。試合のない3日間をどのように時間を使うのか。状態の良い選手ならば、慢心せずに普段通りの調整ができる。だが、不調の選手は悩む時間が長くなってしまう可能性もある。好不調の選手が出てしまうのは短期決戦である以上は仕方がないこと。12日の豪州戦後に取材に応じたダルビッシュの言葉からは、ナインを思いやる気持ちが伝わってきた。
「それ(好不調があること)が野球なので、そんなことを気にしていても仕方ないですし、人生の方が大事ですから。野球くらいで落ち込む必要はない。自分も含めてですけど、休みもあると思うので、それ以外のことで、すごく楽しいことをしたり、美味しいご飯を食べたりして、リラックスしてほしいなと思います」
これまでも2月4日の本拠地・ペトコパークのファンフェスタに参加した際には「気負いすぎ。戦争に行くわけじゃないです」。「気負って体が固まってガチガチになって、もし米国に負けたとしても日本に帰れないというマインドでいてほしくない。気負う必要はないと伝えたい」と自分たちでプレッシャーをかけようとしている侍メンバーへメッセージ。若い選手に届き、響いた。
宮崎合宿中には、体重管理などで気疲れしていたオリックス・宇田川優希投手を気遣い「1年前は育成でそこからいきなり侍ジャパンで、ここでも減量。あまりにも1人の人間が背負うには大きすぎる」と食事会を開催し、悩める右腕に手を差し伸べた。すると宇田川は持ち味を徐々に発揮し、チームに欠かせない存在となった。
「(2009年)当時は先輩方の影に隠れて自分のことだけをやっていた。今はチーム全体を見ながら、みんなとコミュニケーションを取りながら野球をやっているので、また違う楽しみ方ができていると思います」