巨人・原監督が「自信を持たせてくれた」 カナダ代表の39歳元助っ人が保持する不屈の精神

コロンビア戦に登板したWBCカナダ代表のスコット・マシソン【写真:Getty Images】
コロンビア戦に登板したWBCカナダ代表のスコット・マシソン【写真:Getty Images】

コロンビア戦の9回に登板…2安打されるも無失点に封じた

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド・プールCは14日(日本時間15日)、米アリゾナ州のチェイス・フィールドで2試合が組まれ、第1試合でカナダがコロンビアに5対0で完封勝利。9回には元巨人のスコット・マシソン投手が登板し、2安打無失点の好投。1次ラウンド突破に向け望みをつなぐ白星に貢献した。【フェニックス(アリゾナ州)=木崎英夫】

 11日(同12日)に開幕したプールCで、カナダはこの日が3戦目。マシソンに初の登板機会が訪れたのは5点をリードした9回だった。先頭の8番メルカドに初球の真っすぐを狙い打ちされ左前に運ばれた。ここからコロンビアは代打攻勢をかける。9番フリアスに代わるメンドーサに内野安打を許し無死一、二塁。ピンチを背負った場面で、真っすぐを封印した。

「昔のようなストレートはもう投げられないからね。なのでストレートを捨ててツーシームでいきました」

 日本時代には当時歴代4位となる160キロを計測した球も、この日は90マイル(約145キロ)が最速だった。マシソンは1番ラミレスの代打サンチェスにツーシームで挑み遊撃へのゴロで併殺に仕留める。そして2死三塁となった場面で迎えたのが、今季から大谷翔平のチームメートになるエンゼルスのウルシェラだった。出方を見る77マイル(約124キロ)のカーブで好打者を誘いライン際への左飛に打ち取り無失点でカナダの2勝目に貢献した。

 9日に行われたマリナーズとの強化試合以来、5日ぶりの実戦登板だった。宝刀スプリットは織り込まず、球威が落ちた直球も途中から捨てた。それでも打ち取れる自信があった。巨人時代に寄り添ってくれた「シンノスケ・アベから学んだ」配球を駆使し持てる力を9球に集約した。

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