大谷翔平は「世界No.1でしょう」 日本ハムOB驚愕…看板直撃弾も「タイミングずれてる」
田中幸雄氏は侍の2番・近藤、3番・大谷の日本ハム時代を知る
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に初出場している大谷翔平投手(エンゼルス)の強打が止まらない。東京ドームで行われた準々決勝までの5試合では、実に打率.438を記録している。2013年から5年間を過ごした日本ハム時代を知る、NPB通算2012安打の“ミスター・ファイターズ”田中幸雄氏は「世界ナンバーワン」という特徴を指摘。改めて能力の高さに驚いている。
大谷はここまでのWBC、5試合で16打数7安打の打率.438、1本塁打、8打点というすばらしい成績を残している。さらに8つの四球を選び、出塁率は.625。ボールをしっかりと見極め、確実に捉える“正確無比”な打撃を誇る。
田中氏は大谷の“崩されない能力”を「世界ナンバーワンでしょう」と言う。「軸がスッと真っ直ぐ立って、上半身が全く前に(投手寄りに)行かないんですよね。投手が緩急で崩しにきても、一切崩れない。へそから曲がって“泳いで”しまう打者が多いんだけど、大谷にはそれが全くない」。
どんなボールも自分の体の前で、しっかり見てさばくので、捉える確率も上がる。さらに持ち前のスイングの速さで、投球をギリギリまで引き付けて打つことができる。理想の打撃を現実のものとしているのだ。「日本にいた時はまだ、崩されることもあったんです。それが今回のWBCを見ていたら全くない。腰から上が常に真っ直ぐ」と、田中氏もメジャーリーグでの進化に驚く。
12日の豪州戦で話題となった、右中間にある自身の顔の看板を直撃した本塁打も「あれでも、少しタイミングがズレているんです。それであそこまで飛ばすんですから…」。ここ2年は本塁打の量産が目立ったが、何から何まで規格外の選手に成長しているのだ。
大谷の前を打つ近藤健介外野手(ソフトバンク)も、日本ハムでのコーチ時代に指導したことがある。同じように投球に崩されない能力は出色で、WBC5試合では18打数7安打の打率.389、7四球を選んでいる。「近藤も日本の中で一番でしょうね」。田中氏はこの2人が、準決勝以降も日本代表の得点源になるのではと注目している。
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)