広陵のボンズに“後悔の2球” 直球は「見せ球」指令も「反応が見たかった」
“広陵のボンズ”への2球は、ともに変化球
阪神甲子園球場で行われている「第95回記念選抜高校野球大会」は29日、大会10日目の4試合が行われた。第2試合では今大会注目の速球派右腕・平野大地投手(3年)を擁する専大松戸(千葉)が2-9で広陵(広島)に黒星を喫した。1回1/3で降板したエースは「甲子園で経験したことを夏に繋げようと思っていたんですけど、広陵打線に対して自分のストレートを試せなかったことが後悔として残ってます」と言葉を詰まらせた。
この日は変化球を多投した。初回2死で迎えた「広陵のボンズ」こと3番・真鍋慧内野手(3年)に2球目をライトへ弾き返された。大会屈指の強打者との対決は、この1打席が最後。平野は「調子が悪かったわけじゃない」としたが、変化球を広陵打線に捉えられ、自身の失策も絡んだ6失点を喫した。
試合後は「監督さんから『ストレートを見せ球にして変化球で勝負』という話でした。(捕手の)吉田がサインを出して『俺を信じて投げてこい』と言ってくれていたので、それに応えられなくて申し訳ないです」。高校通算49本塁打を誇るスラッガーとの対決が、1打席しかないとは思っていなかった。真鍋へ投じた2球はどちらも変化球だった。「真鍋くんに対して、ストレートの反応を見たかったっていうのはある」と歯がゆさを見せた。
ただ、上沢直之投手(日本ハム)や高橋礼投手(ソフトバンク)らを育てるなど、投手育成に定評がある持丸修一監督を信じる。「こういう打線と試合したときに通用するのか。まだまだだと思うので追求していきたい」。まだ、指揮官と歩む夏がある。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)