大谷翔平vs藤浪晋太郎 米メディアも注目した10年ぶり対決、交錯した両雄の思い
大谷は藤浪から貫禄のタイムリーも「立ち上がりは素晴らしかった」
■エンゼルス 13ー1 アスレチックス(日本時間2日・オークランド)
エンゼルス・大谷翔平投手、アスレチックス・藤浪晋太郎投手の同学年対決が実現した。高校時代からしのぎを削ってきた両雄の対決は、大谷が3回に左翼フェンス直撃の適時打を放ち、2打数1安打1打点をマーク。藤浪は3回途中8失点KOでメジャー初黒星を喫した。
オークランドが静まり返った。2点先取した3回無死満塁。大谷は藤浪が「ファウルを取れれば」と2球続けてきたフォーシームを左翼ポール付近へ打ち返した。フェンス直撃の適時打。あと50センチで満塁弾という豪快な当たりだった。「抜けて欲しいなと。満塁だったので。それが一番」。一塁ベース上ではダンスをするようにして喜んだ。
高校時代からライバルと比較されてきた。藤浪は「大谷選手だけではない」と繰り返したものの、特別な思いも秘めていたという。「世界最高峰の選手と対戦できたのは良かったと思います」。2021年にMVPを受賞するなどメジャーでは大谷が“格上”。10年ぶりの対決は今後へつながる特別な対決となったに違いない。
直接バトルは2013年5月26日(甲子園)以来10年ぶり。当時はお互いにプロ1年目だった。投手・藤浪について、大谷は「ちょっとコメントするにはサンプルが少ないかな思うんですけど、立ち上がりは素晴らしかった」と振り返り、2回まで4奪三振無安打無失点と抑えられた藤浪の攻略を喜んだ。
「三振もウチ的(エンゼルス)には取られていた。いいオフェンスのタイミングでビッグイニングを作れたというのがウチにとっては良かったかなと思います」
同じア・リーグ西地区に所属する両軍の対決は4月24日からの4連戦、9、10月には計6試合が予定されている。藤浪は「悔しい登板になったので、しっかり反省するところは反省して、でも終わってしまったことは仕方ないので、反省はしつつも次に向けて準備したいなと思います」と前を向いた。
大谷と藤浪の対決は2打席で計5球だった。ロサンゼルス・タイムズ紙のサラ・バレンズエラ記者は「同学年対決」に注目。エンゼルスのネビン監督やウォードらに両雄の対決を振り返ってもらうなど米メディアも熱い視線を注いだ。今後もメジャーを熱狂させる激しいバトルを期待したいところだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)